「湯布院」は、2005年まで存在した地方自治体名です。
昭和の大合併で誕生し、その後平成の大合併によって由布市となった町でした。
一方、「由布院」は、地名の由来になっている温泉の名前です。
由布院温泉がこの地にあり、とても有名な温泉郷として知られています。
同じ読みですが異なる漢字を用いているのは、湯布院が合併で生まれた町ということに起因しています。
「湯布院」とは
湯布院とは、かつて2005年まで存在していた町の名前でした。
この町が誕生したのは1955年の「昭和の大合併」の時であり、その前は「由布院町」という自治体名でした。
しかし、1955年の合併で湯平村と対等合併することになり、その際、湯平村の「湯」と由布院町の「布院」をそれぞれとって、「湯布院町」が誕生したのです。
市町村合併での新町名決定において、旧町名から一文字ずつとるというのは、よく見受けられる話です。
「由布院」とは
由布院とは、旧湯布院町内にある温泉地の名前として有名なものです。
「由布院温泉」は九州有数の温泉地であり、かつて1955年までは「由布院町」が存在していました。
この地には「豊後富士」として知られる由布岳がそびえ立っており、そこから名付けられたと考えられます。
なお、「由布(ゆふ)」は奈良時代の『風土記』に、「木綿」「柚富」というふうに漢字が当てられていました。
湯布院と由布院の使い分け
湯布院は現在、由布市内における地名として用いられているほか、大分自動車道のインターチェンジに使われています。
また、旧湯布院町にあった公共機関にもこの字が使われていることが多いです。
一方、由布院は温泉地として使われているほか、JR九州の駅名にも使われています。
また、小学校は「由布院小学校」となっています。
ちなみに、高校は「大分県立由布高等学校」となっています。
湯布院と由布院、どちらも有名
湯布院は昭和の大合併で登場して以来、温泉地として観光業に力を入れていることもあってか、この地名を目にすることは多いのですが、もともと温泉は由布院であり、こちらもネームバリューのあるものでした。
由布岳や由布川など「由布」がベースになっていたこともあり、「湯布院」に違和感を覚える方もいたかもしれませんが、合併によって生まれたとなればうなずけます。
どちらも有名になったのですから、これからも大切にしていきたいものです。