司は「役目として執り行うこと」。

「司法」と言い換えると分かりやすい。

執は「執り行うこと」。

「執行」と言い換えると分かりやすい。

どちらの字も「行うこと」という意味で一致していますが、意味合いに相違があります。

「司」は「司る」ということで、「役所の行うこと、役目を執り行うこと」という意味があります。

「執」も「執り行うこと」です。

「司」は役目で物事を執り行うこと

「司」は主に役目を持ち物事を取り行うことで、語源では「祠・まつること」から「司る」となったものです。

「司法機関は裁判所のこと」「カトリック司教の説教」「司祭は司教の補助者のこと」「今年の紅白歌合戦の司会者は誰になる」「大相撲行司の最高位は立行司」「図書館司書の資格」「最後は司直にゆだねる」「神社の責任者は宮司」などと使います。

「執」は「執り行う」こと

「執」は意味が複数あり「執り行うこと」「こだわること」「とりつくこと」などがあります。

「行うことでは「執行・執事・執刀医・執筆」などがあり、こだわることでは「固執・執着・執念・確執・偏執・執心」などがあります。

熟語で他には「執行役員・執行猶予・公務執行妨害」などと使い慣用句では「執念深い」などがあります。

「司」と「執」は「執り行うこと」

「司」は役目に重点が置かれた言葉です。

「司教はキリスト教の普及や信者への説教など」「司会は番組や会議、催しなどの進行役」「行司は相撲の進行と勝敗の判定」「司法は法律の番人」の役割を持っています。

「執」も役目はありますが「行うこと」に重点があります。

「執行役員は業務の推進」「公務執行は公権力の行使」などがあります。

「司」と「執」とは

「司」は「役目柄、執り行うこと」、「執」は「執り行うこと」という意味を持ち、「執り行う」という意味で一致していますが、「司」は「役目」に重心があり、「執」は「執り行うこと」に重心があるように思われます。

「司教・祭司・司書・司会・司法」などとなり、「執行・執事・執筆」となるのです。

「執」はまた、「固執・執着・執心」などとも使います。

おすすめの記事