「一目・ひとめ・いちもく」は、一度見ることです。
ちょっと見ることです。
英語では「a look」「a glance」「a sight」で表されます。
「彼女に一目ぼれした」は「He felt love with her at first sight.」です。
「一目瞭然」は「It’s clear at a glance.」「It’s quite obvious.」「It is as clear as day.」です。
「一見・いっけん」は、一通りみることです。
ちらっと見ることです。
英語では「a look」「cast a glance」「have a glimpse」で表されます。
「一見してそれが偽物だと判った」は「One glance was enough to tell me that it was a fake.」です。
「一瞥・いちべつ」は、ちらっと見ることです。
英語では「a glance 」「cast a glance」「have a glimpse」で表されます。
「一瞥して無価値なことがわかった」は「A single glance was enough to convince me of its worthlessness.」です。
「一目・ひとめ・いちもく」の意味
「一目・ひとめ」は、以下のような意味です。
①一度見ることです。
ちょっと見ることです。
②「目の中いっぱい」という意味です。
源氏物語(須磨)に「涙を一目浮けて見おこせ給える」とあります。
③物または景色の全部が一瞬の間に見渡せることです。
「一望」のことです。
「一目・いちもく」は、以下のような意味です。
①一度見ることです。
ちょっと見ることです。
②囲碁で、一つの地(じ)や石のことです。
以下のように使います。
一目惚れ(ひとめぼれ) 一目千本
一目(ひとめ)でその家が気に入った
事故の原因は一目(いちもく)にして判明した
一目瞭然(いちもくりょうぜん) 一目散 一目十行(いちもくじゅうぎょう)
「一見・いっけん」の意味
「一見・いっけん」は、以下のような意味です。
①一通りみることです。
ちらっと見ることです。
②一度会うことです。
「いちげん」です。
③副詞的用法では、「ちょっと見たところ」という意味です。
以下のように使います。
一見に値する絵 百聞は一見に如かず
一見して病人と判った 一見紳士風
<関連語>
「瞥見・べっけん」は、ちょっと見ることです。
文章語です。
「書名一覧を瞥見する」「瞥見のかぎりでは危惧するどころではない」のように使います。
「一顧」は、ちょっと振り返ってみることです。
また、ちょっと心にとめることです。
「抗議デモを一顧だにしない」「一顧の価値もない」のように使います。
「ちょっと見」は、ちょっと見た感じや様子のことです。
「ちょっと見では異常はない」のように使います。
「一瞥・いちべつ」の意味
「一瞥・いちべつ」は、流し目で見ることです。
ちらっと見ることです。
以下のように使います。
相手を一瞥した 一瞥を与える 一瞥して偽物とわかった
一瞥もくれずに去った
<瞥の漢字>
「瞥」は、横目でちらりと見ることです。
字義は「ちらりと見る」「ちらつく」「かすむ」です。
解字では、「目+敝」で構成されます。
「敝・へい」の部分は「やぶれる」を表します。
「左右の目の視線が集中しないで、均衡が破れたままで見る」を表し、「ちらっと見る」を意味します。
「一目・ひとめ・いちもく」は 一度見ること、ちょっと見ること、「一見・いっけん」は 一通りみること、ちらっと見ること、「一瞥・いちべつ」は、流し目で見ることです。
「一目・ひとめ・いちもく」「一見・いっけん」「一瞥・いちべつ」は、類語です。
「瞥見・べっけん」「一顧」は、これらの言葉の関連語です。
共通する意味は「一度、またはちょっとみること」です。
「一目・ひとめ」は、最も一般的に使われる言葉です。
一方、「一目・いちもく」は、硬い言い方で慣用的な使い方をします。
「一目・ひとめ」「一目・いちもく」は、「町全体を一目(ひとめ)で見渡せる丘」「一目(いちもく)のうちに町を見渡す」のように、全体を一度で見渡すことも表します。
「一目・いちもく」は、「一目置く」の形で、「自分より優れているものに対して一歩譲る」という意味でも用います。
「一見・いっけん」は、やや改まった言い方です。
「一見学者風の男」のように副詞的に「ちょっと見たところでは」の意味で使われます。
「一瞥・いちべつ」は、ちらっと目をやることです。
硬い言い方で、多くの場合、相手を軽蔑・無視する場合に使います。