思は「思うこと、考えること。」
「思考」と言い換えると分かりやすい。
恩は「恩を感じること」。
「恩義」と言い換えると分かりやすい。
思と恩は意味では全く異なりますが、漢字の形が非常に似ていることから間違えることが多発します。
思を恩とは間違いませんが、恩を思と間違えることがあるのです。
「思義」「思を感じる」などと誤ります。
「思」は考え思うこと
「思」は「頭で思うこと・考えること・慕うこと」と言う意味に使います。
例えば「ここは思案のし所だ」「思索に耽る」「思案橋ブルース」「意志が固い人」「相思相愛の仲」「あの人は社会主義思想家だ」「大人なんだから思慮分別はわきまえないと」「思考を続ける」「思いの丈ぶちまける」「こちらの思う壺になった」などと使います。
「恩」はいつくしむこと
「恩」は「いつくしむ」と言う意味です。
「生活支援をしてもらい恩義を感じる」「発明の恩恵を被る」「命の恩人には大恩がある」「小学校の卒業謝恩会を行って先生方の労をねぎらった」「井之頭恩賜公園」「恩人にお中元とお歳暮を贈っている」「会員になればこのような恩典があります」「恩をあだで返す国」「北帰行の歌詞で恩愛、我を去りぬ」などと使います。
「思」と「恩」は間違い易い字
「思」と「恩」の字は上部の形が「田と因」と違いますが、下は「心」が共に付いています。
「恩」はサンスクリット語のウパカーラ・いつくしみの漢訳と言われています。
思」は「子供の頭蓋骨がまだ付いていない状態=ひよめき」から作られたと言われます。
言葉の成り立ちがして全く別なのですが、なんとも間違い易い字になっています。
「思」と「恩」とは
「思」は考え思うことです。
「思考・思索・思想・意思・相思・思案」などと使います。
「恩」はありがたく感じることです。
「恩人・恩義・大恩・恩愛・恩寵・恩賜」などと使います。
二つの漢字は似ているために意味を正確に知らないと誤って使うことになります。
特に「恩」を「思」と謝ることが多いようです。
「思人・思義」などと書き易いのです。