「下手」は、技術や手際が悪くて物事が巧みに行えないことです。
または、悪い結果を招くようなまずいやり方のことです。
英語では「lack of skill」「unskillful」「poor」「bad」で表されます。
「まずい」は、食べ物の味が悪いことです。
または、技術が拙い様です。
さらに、具合が悪い様です。
また、容貌が良くないことです。
英語では以下のように表します。
「味がまずい」という意味の場合「taste awful」「unappetizing」で表されます。
「下手な」という意味の場合「poor」「be awful」「clumsy」で表されます。
「都合が悪い」という意味の場合「awkward」「untimely」です。
「美しくない」という意味の場合「ugly」「bad looking」です。
「つたない」は、物事に巧みでないことです。
または、能力が劣っている様です。
さらに、運が悪いことをいいます。
英語では以下のように表します。
「下手な」という意味の場合「poor」「clumsy」「awkward」で表されます。
「劣っている」「至らない」という意味の場合「worthless」で表されます。
「武運つたなく」という意味の場合「fortune deserted him 」で表されます。
「下手」の意味
「下手」は、以下のような意味です。
①物事に巧みでないことです。
まずいことです。
不器用なことです。
また、そういう人のことです。
反対語は、「上手」です。
連理秘抄に「上手にも下手にもあひて、不慮に勝負などに負くることもあるなり」とあります。
②なまじっかなことです。
いい加減なことです。
または、その様です。
浮世風呂(4)に「額の汗を下手に拭くと、色男の面が藍隈(あいぐま)になる」とあります。
以下のように使います。
下手の横好き 下手な字を書く やり方が下手だ
あいつは絵が下手だ 嘘をつくのが下手だ
下手に口を出さない方が良い
「まずい」の意味
「まずい」は、以下のような意味です。
①味が悪いことです。
②「つたない」「下手である」という意味です。
③美しくないことです。
④具合が悪いことです。
「おもしろくない」という意味です。
反対語は、「うまい」です。
以下のように使います。
教え方がまずい まずい字だ
まずい料理 その作戦は、まずい手だ
まずい面を見せるなよ
まずいことになった
「つたない」の意味
「つたない」以下のような意味です。
①巧みでないことです。
源氏物語(絵合)に「ほんさいのかたがたの物教えさせたまひしに、つたなきこともなく」とあります。
②能力・品格が劣っていることです。
つまらないことです。
源氏物語(若菜下)に「みづからかくつたなき山伏の身に」とあります。
③運が悪いことです。
薄命であることです。
源氏物語(玉鬘)に「宿世つたなき人にや侍らむ」とあります。
反対語は、「巧み」です。
以下のように使います。
つたない文章 つたない文字だ
つたない私をご鞭撻ください
武運つたなく敗れる
「下手」は物事が巧みに行えないこと、「まずい」は手段・方法がつたない様、「つたない」は、技術や能力を巧みに使えないこと
「下手」「まずい」「つたない」は、類語です。
「へぼ」「へたくそ」「からっぺた」「稚拙」はこれらの言葉の関連語です。
共通する意味は「物事に巧みでないこと」です。
「下手」は、一番用法が広く、一般的に用いられます。
「まずい」は、多くの場合、その人の技術や能力についてではなく、手段・方法についていいます。
また、「まずい絵」などのように、具体的なものの出来栄えについて用います。
さらに、「まずい事態になる」のように、「具合が悪い」「不都合である」という意味もあります。
「不味い」とも書きます。
「つたない」は、具体的な技術や能力について謙遜して言う場合に用います。
「拙い」とも書きます。