巳は「十二支の一つで蛇を表す漢字のこと」。
「巳年」と言い換えると分かりやすい。
已は「すでにと言う意味の漢字のこと」。
「已然形」と言い換えると分かりやすい。
己は「おのれと言う意味の漢字のこと」。
「自己」と言い換えると分かりやすい。
この3文字は昔から区別が難しい漢字でした。
「巳・己」は十二支の蛇として使いますが、「已」は別の意味です。
「巳」は「ミ」と読み、干支や時刻表示に使っていました。
「巳」は十二支の番目に当たる「へび」年を表しています。
もともと蛇の形から生まれた象形文字です。
また、巳の刻と昔の時刻表示で午前十時前後も表した言葉です。
表記上の誤差で「己」と書くことがしばしばあり両方とも「へび」の意味で使っていました。
人名でも多く使われている漢字で、「正巳」「克巳「喜代巳」などの人名があります。
「已」は「イ」と読みます。
以前は「已」は「巳」との区別はなかったようですが、今では「止める・すでに・のみ・はなはだ・だけ」などの意味を持つ別の漢字になっています。
「已然形」は「すでににそうなった」と言う意味ですが、口語では「もしそうならば」と「仮定形」になります。
例えば、文語では「静かなり」が口語では「静かなら」となります。
「己」は「コ・キ」と読みます。
「己」は「おのれ」と言う意味で、自分のことや相手のことを指す代名詞として使われます。
熟語では「自己」「克己心」「知己」「利己的」などがあります。
また、人名に使う場合は「ミ」と発音することが多い漢字です。
「正己」「克己」「博己」など。
そのため、名前を呼ぶ際は「まさみ」と間違えないのですが、表記をする場合に名前を「正巳」などと誤記するケースが後を絶ちません。
3漢字の紛らわしさは格別
「巳・已・己」は表記する際、誤記が多いことから覚え方が存在します。
例えば、「みしは上、やむいはすでに半ばなり、おのれつちのとこき下につく」があります。
「巳」は「み・し」、「已」は「やむ・い・すでに」、「己」は「おのれ・つちのと・こ・き」の意味や読み方を表しています。
別の言い方では「已半ば、己は下に付きにけり、巳は皆付きて、イキシとぞ読む」があります。