「ただし」も「しかし」も接続詞の一つですが、実はそれぞれが持つ意味が異なります。
「ただし」は、前に述べているものに対して、その例外的なものを補足するときに使います。
その内容にプラスして伝えるものに対して使われます。
「しかし」は、その前に述べている内容と相対する内容を述べるときに使う接続詞になります。
前の内容と逆のものをいうときに使われます。
「ただし」の意味
「ただし」は、補足の接続詞として用いられています。
もともとは副詞の「ただ」に副助詞「し」を加えたものであり、前に述べた内容に対して条件や例外、留意点を付け加えるときに使われます。
「24時間営業、ただし平日のみ」や「入場は自由です。
ただし、次にあてはまる場合は除く」といった形で用いられます。
ある条件をプラスするために用いられる言葉です。
「しかし」の意味
「しかし」は逆接の接続詞であり、前の内容とは逆のものを説明するときに使う言葉です。
例えば「雨が激しくなった。
しかし、試合はこのまま続行する。」
「資金は少ない。
しかし、この事業は続けていかなければならない。」
といった形で、本来は想定される結果(雨が降ったらやめる、資金が少なければ中止するなど)とは逆のことを言う場合に使います。
「ただし」と「しかし」の用例
「このお店はポイントを還元します。
ただし、会員のお客様が対象です。」
といった一定の条件を付ける場合、「お代わりは自由です。
ただし、期間内に限ります。」
というような場合には、「ただし」を用いることがあります。
実は法律の条文でも、例外や条件を付すために「ただし(但し)」を使うことが多いのです。
しかし、「しかし」は前の内容と反対の内容を指すときに用いられるので、法律の条文など公文書で用いられることは多くありません。
「体調が悪い。
しかし、どうしても仕事に行かなければならない」「スマートフォンが壊れた。
しかし、買いに行くお金がない」といった逆接の用法で使われます。
「ただし」「しかし」は全然違う
「ただし」はあくまでもこの言葉の前にある内容に対する例外、条件、注意点を付け加えるときに用いられます。
一方、「しかし」は、この言葉の前後で内容が反対になるようにしなければ正しい用法になりません。
二つの内容が相対するものであれば、基本的に「しかし」を用います。
「ただし」は前の内容に補足するための接続詞、「しかし」は前の内容と逆の内容をつなげるための接続詞となります。