買掛金と未払金は両方とも簿記の用語で、どちらも決算時の未払い分の金額と言う意味では一緒です。
でも、その内容が違います。
「買掛金」というのは「仕入」に対して使う物「未払金」というのは「固定資産」の購入やその購入の際のローンに対して使う物です。
もちろんこれらを使い間違えても税金を取られるとかそうゆう心配はありませんが、やはり、仕入と固定資産は事業運営に関しての意味が全く違います。
その点を下に書いてみたいと思います。
買掛金はお客様に直接提供するサービスの未払い分
買掛金というのは、簿記で言う決算や月末期の未払い分の事ですが、「仕入」に関するものです。
「仕入」に関するという事は、「売上」に確実に絡みます。
商品だって「仕入れて売る」と言うのが当たり前です。
お客様に提供する商品や飲食店ではお客様に提供する食材等の経費が「買掛金」として計上されるものです。
基本お客様が購入する物、口に入れる等してお客様の物になる経費は「買掛金」となります。
未払金は事業に必要な固定資産の未払い分
「未払金」は固定資産やその固定資産を購入した時にかかるローンの事を言います。
確かに事業をする上ではそれなりの設備投資は必要ですが、これらの経費は事業を維持するのに必要な出費であってお客様に直接購入してもらうものではありません。
なので、お客様に直接商品やサービスを提供する物ではないので、「未払金」とするのが通常です。
「買掛金」と「未払金」の仕訳例
「買掛金」を計上する時の仕訳は下記の通りです。
と言うよりもこの仕訳が普通でしょう。
仕入(材料費)/買掛金
但し、建設業簿記では、材料費/工事未払金とするケースもあります。
これはこれで間違いではありません。
材料をお客様に直接売るわけではないのでこの仕訳も正しいです。
「未払金」を計上する時の仕訳は基本下記の通りです。
固定資産(車両運搬具や土地)/未払金
買掛金はお客様に直接提供する「仕入」の未払い分、未払金は事業を運営するのに必要な「固定資産」の未払い分
上記にも書きましたが、買掛金と言うのはお客様に直接サービスを提供する物にかかる未払分を計上する時に使います。
一方未払金はお客様に直接提供するわけではないですが、事業の運営に必要な固定資産を購入した際に使う科目です。
これはもう商業簿記の基本中の基本です。
但し、建設業簿記では材料を直接お客様に売却するわけではないので「工事未払金」という「買掛金」の名称を変えた科目が使われますが、意味は「買掛金」と全く一緒です。