押収は「何らかの事件において、捜査機関が事件の立証などの目的で特定のモノを差し押さえること」。
押収されたものは、後で再び持ち主に返されることが多いです。
没収は「特定のモノを取り上げること」。
広くいろいろな機会で使用される言葉ですが、一般的には没収されたものは、後で持ち主に返されることはないケースが多いです。
「押収」の意味
押収とは、捜査機関がある事件において必要だと認められる証拠品などを差し押さえることです。
あくまでも事件の捜査や立証などにおいて必要だから差し押さえるのであって、必要なくなれば、持ち主に返されることになります。
押収という言葉は、基本的に刑事事件などの限られたケースで使われやすく、かなり使用範囲は狭いです。
「没収」の意味
没収とは、特定のモノを取り上げることです。
したがって、かなりざっくりとした意味であり、使用できるシーンはかなり豊富に存在しています。
押収と同じように特定の事件に際して使われることもありますが、一般の人が誰かの所有物を取り上げる際にも没収を使えるため、押収と比較するとかなり日常的な言葉という評価ができます。
ただ、没収したものは持ち主には返されないことも多々あります。
「押収」と「没収」の用法や用例
「俺は事件には無関係だけど、事件の解決のために俺の所有物が証拠品として押収されることになった。
しばらく使えないのが残念だが、しょうがないか。」
「学校で漫画を読んでいたら教師に没収されてしまった。
ちゃんと返ってくるのだろうか。
漫画を読んでいたのは悪いかもしれないけど、漫画は教師のものじゃなくて、俺のものだからな。」
押収と没収は行為としてはほぼ同じ
押収と没収に関しては、特定のモノを誰かから取り上げる行為と言えるでしょう。
したがって、行為それ自体はほぼ同じと評価できます。
ただ、押収に関しては捜査機関などが一時的に差し押さえるだけなので、持ち主に再び返されることになりますけど、没収は持ち主に返ってこないケースが含まれ、そこは大きな違いとなっているのです。