「自然」と「天然」の違い・意味と使い方・使い分け

B!

「自然」は、おのずとそうなる様です。

天然のままで人為の加わらない様のことです。

「あるがまま」「ひとりでに」という意味です。

「自然とそうなる」「自然の甘味」「自然のままの森林」「自然エネルギー」「自然界」「自然科学」のように使います。

「天然」は、人の手が加わっていないこと、自然のままであることです。

反対語は「人工・人造」です。

「生まれつき」「天性」のことです。

「天然パーマ」「天然の美」「天然魚」のように使います。

「自然」の意味

「自然」は、人為に寄らないでこの世に存在するすべての物や現象のことです。

「森羅万象」「天地万物」のことです。

「自然を友とする」「自然の営み」「自然災害」「自然科学」のように使います。

また、人為に寄らないそのもの本来の状態をいいます。

「天然」と同じ意味です。

反対語は「人工」です。

「自然の甘味」「自然のままの森林」のように使います。

さらに、言動にわざとらしさや無理がないことをいみします。

「自然な解釈」「自然にふるまう」のように使います。

加えて、何もしないのにひとりでにそうなることをいいます。

「自然の成り行き」「自然云生えてくる」のように使います。

必然のなりゆきとしてそうなる様をさします。

「おのずと」という意味です。

副詞として使われます。

「内気だから自然と友達も少ない」「大人になれば、自然と世間が解ってくる」のように使います。

「天然」の意味

「天然」は、後漢書には、「人為の加わらない自然のままの状態」「人力ではどうすることのできない状態」とありあます。

また、史記には、「本性」「天声」「生まれつき」とあります。

自然のことです。

「造物主」「造化」を意味します。

「天然藍」「天然果実」「天然ガス」「天然記念物」「天然ゴム」「天然資源」「天然繊維」「天然パーマ」
「天然色」「天然芝」「天然痘」「天然肥料」「天然染料」のように使います。

「自」と「天」と「然」の字義と解字

「自」の字義(漢字の意味)は、「みずから」「ひとりでに」「~より・助字」「もとづく・出所」「用いる」「率いる」「始まり・初め」です。

解字(漢字の解説)に於いて、「自」は象形文字です。

「鼻」の象形から転じて「自己」「おのれ」をいみするようになりました。

助字では、「~より」を表します。

「天」の字義(漢字の意味)は、「あま・あめ・空」「天体」「太陽」「宇宙の造物主」「自然」「君・帝王」「父」「時節」「日にち」「運命」「生まれついた性」「世の中」「易の一種・乾」「天上界に住む神々・仏教」です。

解字(漢字の解説)に於いて、「天」は人の頭部を大きく強調した形です。

「うえ」「いただき」「そら」を意味します。

「然」の字義(漢字の意味)は、「しかり・そのとおり」「しか・もっとも」「しかする・そのように」「しかして」「」しかも・その上」「句末に置いて断定を意味する」「他の語句について状態を表す」「もえる」です。

字義の「他の語句について状態を表す」という意味の場合、「泰然」「悠然」「自然」「天然」のように使います。

解字(漢字の解説)に於いて、「然」は「犬+肉+火」で構成されています。

「生贄の犬の肉を火で焼く」という意味です。

このことから、一般的に「もやす」という意味を表します。

この意味から借りて「しかり」「しかして」などの意味が生じました。

「自然」は、地球上のあらゆるもので人工でないものを言う

「天然」は、そのもの本来のありのままの状態を言います。

「自然」と「天然」は類語です。

共通する意味は、「人の手が加わらずに存在しているもの」です。

以下のように使います。

「自然に親しむ」「故郷の自然を懐かしむ」「自然の摂理」「自然破壊」「自然に産出する鉱物」
「自然の美しさ」「自然を大切にする」「自然の中で呼吸する」
「天然ダイヤモンド」「天然に算出する鉱物」「天然の美しさ」「天然の真珠」

「自然」は、山川海草木を初めとして、動物や天候など、地球上のあらゆるものや出来事のうち、人工でないものを言います。

「天然」は、人の手が加わらず、そのもの本来のありのままの状態を言います。

最新の記事はこちらから