気になって心から離れない、気がかりなことを意味します。

現在はまだ起きていない、将来の物事に対して使われます。

起こる可能性のある良くない出来事に対しての不安を表す言葉です。

もともとは「繋念」という字で「一つのことに集中して、他のことは一切考えない」という意味の仏教の言葉でした。

「懸」は心にとめておくという意味を表す漢字です。

「念」は心に抱いている考えや思いを意味します。

二つの漢字を合わせて、「気がかりなことを心に抱いている」という意味の言葉になります。

「懸念点」「懸念事項」「懸念材料」など、熟語としても使われます。

「懸念」の類語

似たような意味の言葉に「危惧」「心配」「憂慮」などがあります。

「危惧」は危ぶみおそれることを意味します。

「懸念」よりも不安となる対象が具体的で、危機感を伴う物事に対して使われる言葉です。

「心配」は先行きを気にして心を悩ますことを意味します。

「懸念」よりも不安となる対象は漠然としているときに使われる言葉です。

「憂慮」は心配して思いわずらうことを意味します。

「懸念」の対象となるのは未来に対する不安ですが、「憂慮」は現在起きている出来事に対する不安を表します

「懸念」の英語

「懸念」にあたる英語はいくつかあります。

・concern
「関心、心配」という意味です。

「懸念事項」のことを「a matter of concern」と言います。

「Please contact us if you have any concerns.(何か懸念点があればご連絡ください)」というフレーズはビジネスシーンでもよく見られる表現です。

・worry
「心配事、悩み」という意味です。

広く日常における個人的な不安を表します。

・anxiety
「不安、懸念、心配」という意味です。

漠然としたものに対する不安を表します。

・fear
「不安、心配、恐怖」という意味です。

良くないことが起きる恐れを含む不安を表します。

「懸念」の例文

「懸念」の使い方を、例文と一緒にご紹介します。

・彼の傷口は懸念していたほどは悪化していなかったので安心した。

・遭難者の安否が懸念されています。

・その地域では環境破壊に関する大きな懸念がある。

・厳しい暑さによる脱水症状が懸念されている。

・新たな方針を提示することで、計画が遅延することを懸念しています。

・現在の懸念点は、今使っているパソコンの脆弱性です。

・懸念事項をまとめて、チームで共有する必要があります。

「懸念」のまとめ

「懸念」とは、まだ起きてはいないけれど、未来に起こる可能性のある悪い物事に対する不安を意味します。

一口に不安といっても、軽い不安から深刻な不安、煩わしい不安から恐怖に近いような不安とその意味合いは様々です。

それゆえに「懸念」以外にも、不安を表す言葉は「危惧」「心配」「憂慮」などいろいろあります。

同じように、英語でも少しずつニュアンスの異なる「不安」がたくさん存在します。

不安となる対象や、危機感の高さに応じて、うまく使い分けていきましょう。

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