どちらも「何かを作ること」を表す、「せいさく」と読む2つの単語があります。
それは、「制作」と「製作」です。
この2つは混同されることが多いですが、きちんとした使い分けがあります。
「制作」は主に芸術や創作活動について用いられます。
反対に「製作」は商品や機械など実用的なものを作ることに対して使う単語です。
「制作」が使われる場面・例文
「制作」は、
・絵画
・音楽
・記事
・ポスター
・彫刻
といった、表現力を求められる媒体や芸術作品などの創作について用いられる単語です。
文の中に出てきた際に「創作」と言い換えられるかどうかが「製作」との違いだと思います。
例文としては、
「著名人の肖像画を制作する」
「環境美化のポスターを制作した」
などが挙げられます。
「製作」が使われる場面・例文
「制作」が芸術作品に使われるのに対して「製作」は、商品や道具、機械など、実用的なものや日常生活でよく使うようなものを作ることに対して使う単語です。
機械工場や町工場(まちこうば)など、第二次産業での「ものづくり」はこれに当たります。
例文としては、
「机を製作している工場だ」
「この棚を製作するための工具」
などが挙げられます。
使い分けが必要な事例
例えば日曜大工で机を作るとしましょう。
「机作りキット」のようなものを買ってきて、図面通りに木を切り組み立てるだけならば「製作」を使うべき場面です。
これがもし、「よーし、お父さん、頑張ってかっこいい机作っちゃうぞ!」とデザインなど工夫を凝らして作るのであれば「制作」を使う方が適切でしょう。
同じ「机」を作るにも、表現力を要するかどうかで使い分けができるのです。
まとめ
制作」と「製作」、どちらも何かを作ることを表し、またどちらも「せいさく」と読むこの2つは混同されることが多いですが、今まで述べてきたようにきちんとした使い分けがあります。
「制作」は絵画や音楽など、主に芸術や創作活動について用いられます。
反対に「製作」は商品や機械など実用的なものを作ることに対して使う単語です。