「寸志」とは「少しばかりの気持ち」という意味で、そのような気持ちを込めて贈るお金やプレゼントのことを指します。
「寸」という漢字には「ほんの少し」、「志」という漢字には「気持ち」という意味があります。
学生の頃まではそれほど耳にすることはありませんが、ビジネスシーンなど、社会に出るといただく機会が増え、身近に感じる言葉です。
「寸志」の渡し方
「寸志」の意味はお伝えした通り、「ほんの気持ち」です。
そのため、渡すお金やプレゼントはそれほど高額でない場合がほとんどです。
一般的には、3千円~5千円ほどを包むことが多く、もらう側があまり恐縮しない金額であることが基本です。
渡し方としては、封筒へお金を包み、表書きに「寸志」と書きます。
寸志は、目上の人から目下の人へ渡すものなので、もし目下の人がお金を包む場合は、「御礼」などと書くとよいでしょう。
寸志を渡す機会
寸志を渡す機会でよくあるのは、歓送迎会です。
目上の方が、会費の代わりに会費に数千円を加えた金額を寸志として渡す場合が多いです。
また、結婚式や葬儀場のスタッフさんや引っ越しでお世話になった人、旅行先の運転手や宿の方などに、感謝の気持ちを込めて渡すこともあります。
ありがとうの気持ちを込めてお金やプレゼントを渡す文化として、日本では根付いています。
寸志の注意するべきマナー
歓送迎会などで寸志をいただいた場合、必ず会の始めに参加している皆さんに紹介することがマナーです。
しかし、その際「寸志をいただいた」ということは失礼にあたります。
なぜなら、「少しのお金をいただいた」と言っていることになるからです。
紹介する際は「ご厚志」や「お心遣い」と言うようにしましょう。
また、具体的な金額についても言わないようにするのがマナーです。
日本の温かい文化「寸志」
会の幹事さんやスタッフさんなどに感謝やお礼の気持ちを込めて「寸志」を渡すというのが、日本の文化です。
海外でいうチップのような意味合いの感じがしますが、必ず渡さなければならないものではなく、好意で渡すところが大きな違いです。
渡された側も、「ほんの気持ち」という意味合いを理解し、恐縮せずにありがたく頂戴して感謝をお返しできると良いですね。