「さする」は、軽くこすることです。
英語では「stroke」「rub」で表されます。
「背中をさする」は「rub a person’s back」です。
「撫でる・なでる」は、手のひらで優しくさすることです。
英語では「stroke」「pat」で表されます。
「子供の頭をなでる」は「pat a child on the head」です。
「こする」は、押し付けて摩擦することです。
英語では「rub」「scrub」「scrape」で表されます。
「ごしごしこする」という意味の場合「scrub」を使います。
「こすり取る」という言いの場合「scrape」です。
「いくらこすっても跡が消えない」は「This mark won’t rub off. 」です。
「さする」の意味
「さする」は、体の痛みなどを癒すために、手のひらで軽くなでることです。
軽くこすることです。
平治物語に「ここ打て、かしこさすれとて」とあります。
以下のように使います。
背中をさする 孫の頭をさする 冷えた体をさする 傷む腰をさする
☆pat
他動詞の意味は「軽くたたく・なでる」「軽くたたいて~を作る」です。
「彼女は彼の頬を優しくなでた」は「She patted his cheek affectionately. 」「She patted him on cheek affectionately. 」です
「撫でる・なでる」の意味
「撫でる・なでる」は、以下のような意味です。
①手のひらで優しくさすることです。
万葉集(20)に「我が母の袖持ちなでて我がからに泣きし心を忘らえぬかも」とあります。
②物が他のものに触れ、静かに動くことです。
③いつくしむことです。
可愛がることです。
大事にすることです。
④くしけずることです。
髪をとかすことです。
⑤米を引き砕くことです。
⑥斎宮の忌み言葉です。
「打つ」を表します。
以下のように使います。
背中を撫でる 孫の頭を撫でる
「こする」の意味
「こする」は、以下のような意味です。
①押し付けて摩擦することです。
擦り磨くことです。
夏目漱石著(三四郎)に「寐てゐた男がむつくりおきて眼をこすりながら下りて行つた」とあります。
②あてこすることです。
嫌みを言うことです。
以下のように使います。
背中をこする 垢をこする 眠くて目をこする ヴァイオリンは弦を弓でこすって音を出します こすって洗う
「さする」は 軽くこすること、「撫でる・なでる」は 手のひらで優しくさすること、「こする」は 押し付けて摩擦することです。
「さする」「撫でる・なでる」「こする」は、類語です。
「擦る・する」「撫でおろす」「撫で上げる」「逆撫で・さかなで」「愛撫・あいぶ」は、これらの言葉の関連語です。
共通する意味は「手のひらを、人の体や物の表面に軽く押しあててたまま何度も動かすこと」です。
「さする」は、多くの場合、苦痛を和らげるために行います。
「撫でる・なでる」は、多くの場合、愛情表現や触感を確かめたり楽しんだりする目的で行います。
「撫でる・なでる」は、動作が一方方向だけだったり回ったりします。
一方、「さする」「こする」は、動作を繰り返します。
「こする」は、物と物を接触させる場合もいいます。