興・コウは「興の呉音のこと」。

「興行」と言い換えると分かりやすい。

興・キョウは「興の漢音のこと」。

「興味」と言い換えると分かりやすい。

「興」と言う漢字は、呉音も漢音もありますが、使い分けがなされている漢字になります。

日本では、呉音から漢音への移行と言うより、呉音は呉音、漢音は漢音として使い分けているのです。

「興・コウ」は呉音発音で、「おこす」と言う意味

「興・コウ」は呉音発音で、もっぱら「おこす」と言う意味で使われています。

使用例は「興行銀行、興業、地震復興、新興宗教、商店街振興、中興の祖」などと使い、事業を新しく始めることや栄えることを意味します。

語源では「興」と言う漢字の成り立ちは「両手で共(同)に力を合わせる=おこす」と言う意味になります。

他にも「興廃、興亡、興奮」などがあります。

「興・キョウ」は漢音のこと

「興・キョウ」は漢音のことです。

もっぱら「感心、興味、楽しみ」などの意味で使われています。

使用例は「興味津々に眺める、横領した金は遊興費に使った、忘年会の余興を考える、とても座興とは思えない、全く興醒めだ、パチンコに興じる、即興でピアノを演奏した」と使います。

そのほか「感興、興趣、詩興」などもあります。

「興」は詩経の六義の一つ

「興」は中国最古の詩集である「詩経」の六義の一つのことを言います。

六義とは詩の内容・体裁に関するもので「風、雅、頌」、表現・作法の「賦、比、興」になります。

そのうちの「興」は「隠喩」のこととされています。

六義は日本にも伝えられ、因んで古今和歌集序文に和歌を六種に分けたことが伝えられています。

「六義園」はこのことに因んだ名前です。

「興・コウ」と「興・キョウ」とは

「興・コウ」は呉音の発音のことを言います。

物事を興すことや、栄えることと言う意味になります。

「興行、興業、復興、新興、振興、中興」などと使います。

「興・キョウ」は漢音の発音のことですが、日本ではもっぱら「興味、感心、楽しみ」などの意味で使われています。

「興味、遊興、余興、座興、興醒め、興じる、即興」と使います。

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