穴は「周囲より低く落ち込んでいる形状のこと」。
「落とし穴」と言い換えると分かりやすい。
孔は「周囲より低く落ち込んでいる形状の他、突き抜けている状態のこと」。
「トンネル」と言い換えると分かりやすい。
「穴」は一般的、慣用的に使用されますが、「孔」は余り使われませんので、「穴」と読み替えることもあります。
「穴」に様々な意味があります。
「穴」は語源では竪穴式住居の入り口を意味していて、そこから窪んだ所になりました。
他には「お金の損失」「空白」「欠点」「人が知らない良い場所」「予想外の大的中」などの意味もあります。
「穴」を使った熟語も多く「落とし穴」「鍵穴」「岩穴」「横穴」「穴場」「大穴」「抜け穴」「洞穴」「節穴」「吉見百穴」などがあります。
「孔」は貫通したものに良く使われます。
「孔」は語源的には、赤ん坊のまだ閉じていない頭蓋骨の泉門のことです。
「穴」と同義語なので貫通したものでも「針の穴」などと読み替えもあります。
熟語としましては「気孔」「穿孔」「眼孔」「瞳孔」「鼻孔」など限られています。
江戸時代には「孔(こう)」を「穴」が貫通している銭ということで「一文銭」のことを言いました。
「穴」に入ると「瞳孔」が開きます。
徒歩でトンネルや洞穴など暗い「穴」に入ると「瞳孔」が開いて、暗闇で目が慣れてものが見られるようになります。
トンネルは貫通しているのですが「孔」ではなく慣用的に「穴」を使います。
「眼孔」「瞳孔」「鼻孔」などは別に突き抜けてはいませんが「孔」を使います。
トンネルを抜けると「瞳孔」は、また元の大きさに戻ります。
「穴」と「孔」は同義語として使われることも多い言葉です。
「穴」は周囲に囲まれた、横穴のトンネルや竪穴の落とし穴、洞穴、抜け穴などの他に「針の穴」「競馬の大穴」「会社で使い込み穴を開けた」「鍵の穴」など日常的に使われていますが、「孔」は「穿孔」「瞳孔」など限られた言葉でしか使われていません。
「孔」は同義語で使われているため、「穴」を多く使う慣習があります。