味気ないは「面白味の無いこと」。
「つまらない」と言い換えると分かりやすい。
無味乾燥は「趣や風情などの感じられないこと」。
「味気なし」と言い換えると分かりやすい。
これらの言葉は、趣や風情、面白味などが感じられない平凡な様子のことを言います。
普通で平凡なことにも少しは味わいがありますが、それすら無いことです。
「味気ない」は「あじきない」
「味気ない」は「あじけない」と発音していますが、かつては「あじきない」が普通でした。
「え」と「い」の区別が関係しているのですが、現在は「あじけない」が当たり前になってしまったのです。
因みに「い」が有力になっている言葉に「いばる」「いぼ」などがあるのです。
「えばる」「えぼ」とも言いますが、「い」が普通になっています。
「味気ない」は「え」が優勢となってしましました。
「無味乾燥」は面白さが無いこと
「無味乾燥」は「味気ない」ことですから、趣や趣向、風情や景観などが感じられないことです。
「乾燥」と使うのは「潤い」がないことから来ています。
「ドライ」な感じと使うのと同じです。
全く面白味の無い事柄に使われます。
文章でも「事務的」なものは無味乾燥で、「観光案内」の様なものは見どころが記載され、面白味があるものになります。
「無味乾燥」の文章は「味気ない」
「味気ない」は「無味乾燥」のことです。
公文書や技術書、マニュアル、取扱説明書などは、事務的で必要なことしか書いてありません。
反対に冒険小説や芝居の脚本、落語や笑い話・小話、観光案内や歴史書、和歌・俳句などは内容的に面白味があります。
読んだり聞いたり見たりすることで、味わいを感じられるか否かといことです。
「味気ない」と「無味乾燥」とは
「味気ない」は面白味の内ことで、必要な説明しか書いていないものやありふれた景色、つまらない話などを言います。
「無味乾燥」も同じことで、「味気ない」をやや硬い表現で言ったものです。
「なんとも味気ないな」「無味乾燥なつまらない内容の話だった」「無味乾燥は現代的なドライさで、昔の様な味わいは無くなった」「演歌は味わいがあるが、最近の歌は味気ない歌詞が多い」などと使います。