飛散は「物が割れて周囲に飛び散ること」。

「爆発」と言い換えると分かりやすい。

四散は「集まっていた人が散り散りになること」。

「雲散霧消」と言い換えると分かりやすい。

飛散も四散も固まりがバラバラになることを意味しています。

「ひ」と「し」の違いは良く起こることで、江戸っ子は「ひ」が言いにくく、「し」となることは知られています。

しかし違う言葉になることは珍しいのです。

「飛散」は物が飛び散ること

「飛散」は物の塊が爆発などの原因で周囲にバラバラになって飛び散ることを言います。

普通、物に使い人や状況などには使いません。

訛って「ひさん」を「しさん」と言うことはあることですが、「四散」と言うことではありません。

「ガス爆発はすざましく、あらゆるものが周囲に飛び散ってしまった」「今年も花粉が飛散する季節になった」などと使います。

「四散」は人が散ること

「四散」は集まっていた人の集団が解散する様子を言います。

また、集団が内部分裂することも言います。

「デモに参加していた人は終わったので四散した」「野外ライブが終わると数万人の人が四散した」「野党の政党は内部で意見の対立があり四散五裂した」「集会は終わり、人々は思い思いに四散していった」などと使います。

「飛散」と「四散」は発音が似た言葉

「飛散」は「しさん」と訛ってしまうことがありますが「四散」は「ひさん」とはなりません。

「飛散」と「四散」が基本的なところで意味が似ているために、「飛散」を「しさん=四散」と訛って言っても意味が通じてしまいます。

「ガラスが飛散した」がなまって「ガラスがしさんした」となっても「ガラスが四散した」と受け取られても基本的な意味は通じます。

「飛散」と「四散」とは

どちらも「バラバラになること」と言う基本的な意味は共通するものですが、「飛散」は物に対して使うのに対し、「四散」は人に使います。

例えば飛散では「爆発によりガラスなどあらゆる物が飛散した」「遠くの山から花粉が飛散した」、四散では「野党政党は四散五裂してしまった」「野外ライブが終わり人々は四散した」などと使います。

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