「徴発」は、相手を刺激して事件などが起こるように仕掛けることです。

英語では「provocation」「provoke」「arouse」「stir up」で表されます。

「欲情をかきたてる」という意味の場合「arouse」「stir up」を使います。

「その事件は戦争を挑発した」は「The incident provoked the war.」

「The incident set off the war.」「The incident touched off the war.」です。

「挑発に乗ってついに相手の男を殴った」は「He was provoked into shooting the man.」です。

「扇動」は、人の気持ちを煽り立て、ある行動をすすめてそそのかすことです。

英語では「agitation」「instigation」で表されます。

「彼は労働者を扇動してストライキをやらせた」は「He instigated the workers to strike.」です。

「徴発」の意味

「徴発」は、相手を刺激して事件などが起こるように仕掛けることです。

そそのかすことです。

または、色情をかきたてることです。

以下のように使います。

徴発に乗る 敵を挑発する 挑発的行為

挑発的言動 挑発的態度

<発の漢字>

字義は「はなつ」「ひらく」「あばく」「遣わす」「おくる」「たつ・出発する」「出る」「おこす・始める」「現れる」「動く」「のびる・発育」です。

解字に於いて、篆文(書体の一種)の「發・はつ」では、「弓+癶+殳」で構成されます。

「癶+殳」の部分は「左右の足と手で草を踏み分けるさま」を表します。

これにより「弓を引きはなつ」を意味します。

「発」は「發」の省略形です。

「扇動」の意味

「扇動」は、人の気持ちを煽り立て、ある行動をすすめてそそのかすことです。

「agitation・アジテーション」の訳語です。

大衆に特定の観念を与え、情緒に訴えて一定の方向に行動を起こさせるようにすることです。

一般的に、個人の自発性に力点をおく教育や、比較的組織された大衆に対する複雑な観念の提示を意味する宣伝とは区別されます。

法律上は、他人に違法行為を実行する決意を生ぜしめ、またはすでに生じている決意を助長させるような勢いのある刺激を与えることをいいます。

以下のように使います。

民衆を扇動する 扇動に乗ってバリケードを壊した

扇動的文章 教唆扇動

<関連語>

「鼓吹・こすい」は、ある意見や思想を盛んに主張し宣伝して、相手に吹き込むことをいいます。

文章語です

「人道主義を鼓吹する」のように使います。

「鼓舞」は、勇気づけて何かさせようとするすることです。

「士気を鼓舞する」のように使います。

「入れ知恵」は、ある目的のために、他人に自分の考えを吹き込むことです。

「弟に入れ知恵をしてテレビゲームをねだらせる」のように使います。

「鼓する」は、勇気を奮い立たせることです。

文章語です。

「勇を鼓して強敵にぶつかる」のように使います。

「徴発」は、 相手を刺激して事件などが起こるように仕掛けることです。

「扇動」 は、人の気持ちを煽り立て、ある行動をすすめてそそのかすことです。

「徴発」「扇動」は、類語です。

「鼓吹」「鼓舞」「入れ知恵」「鼓する」は、これらの言葉の関連語です。

共通する意味は「相手を刺激してある行為をするように仕向けること」です。

「徴発」と「扇動」は、紛争・暴動・事件などを起こすように仕向ける場合に用います。

「徴発」は、欲情を起こすようにする場合にも用います。

「徴発」は、相手を刺激して、内部にあるものを誘い出す行為です。

一方、「扇動」は、盛んにあおってその気にさせ、それを大きくする行為です。

「徴発」は、個人に対しても集団に対しても用いますが、「扇動」は、多くの場合集団に用います。

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