「とし」と発音する場合、「年」も「歳」も時間の単位の一つです。
1月1日~12月31日までの時間のことです。
「一年間」を意味します。
「年を越す」「一年の出来事」「歳の暮」のように使います。
また、「年齢」「よわい」のことです。
「年が若い」「年をとる」のように使います。
さらに、相当の年のことです。
「老齢」「高齢」のことです。
「もう年だ」「年に似合わぬ色」「年に不足はない」「年には勝てない」「年を食う」のように使います。
「とし」と発音する場合
「とし」と発音する場合、「年」も「歳」も時を計るのに用いる単位です。
一年に一度の「収穫」を基準にしたともいわれます。
1月1日~12月31日までを言います。
「一年」「暦年」ともいいます。
「一年の始め」「年が明ける」「年が改まる」「年越し」「年をまたぐ」「年の内」「歳の暮」のように使います。
太陽暦では、地球が太陽の周りを一周する時間のことです。
365日5時間48分46秒です。
太陰暦では、月が地球の周囲を12周する時間です。
惑星がその軌道を一周する時間を指します。
生きてきた年数のことです。
「年齢」「よわい」です。
「年の割に若い」「年は争えない」「年を食う」「年を取る」のように使います。
「穀物」特に「稲のみのり」のことです。
万葉集(18)には、「我が欲りし雨は降り来ぬかくしあらば言挙げせずとも年は栄えむ」とあります。
「季節」「時候」のことです。
宇津保物語(梅花笠)には、「今年はあやしく年急ぎて、遅き花と咲き」とあります。
「さい」と発音する場合
「歳・さい」と発音した場合、以下のような意味です。
「とし」のことです。
「一か年」です。
「歳月」「歳時記」「歳月」「歳役」「歳華」「歳計」「歳寒」のように使います。
また、「年齢・よわい」のことです。
「五歳年上」「二十歳」のように使います。
さらに、「五星の一つ。
木星」のことです。
英訳する場合、「A year」で訳されます。
「年」と「歳」の字義と解字
「年」の字義(漢字の意味)は、「とし」「とき」「みのる・みのり」「穀物」です。
「とし」という意味の場合は、「元日から大みそかまでの一年」のことです。
「とき」という意味の場合は、「時代・年代」を表しています。
解字(漢字の解説)に於いて、「年」は、甲骨文字では「禾+人」で構成されます。
「人」の部分は、「熟成した人」という意味です。
これにより、「年」は「熟成した穀物・みのる」という意味です。
転じて、「年」という意味になりました。
篆文(てんぶん・書体の一種)では、「禾+千」で構成されます。
「千」の部分は「多くの穀物がみのる」という意味を表します。
「歳」の字義(漢字の意味)は、「さい・星の名・木星」「とし」「穀物のできぐあい」「毎年」「その年の運勢」です。
「さい・星の名・木星」の意味の場合、「天を一年に一次ずつ巡り十二年で天を一周する」「太歳」を表しています。
「とし」という意味の場合、「年」「1月1日~12月31日」「一か年」「新年」「月日・年月」「年齢」を表しています。
解字(漢字の解説)に於いて、「歳」は「歩+戌」で構成されます。
「戌」の部分は「鉞・まさかり」の象形です。
まさかりで生贄を裂いて一年ごとに祭る儀式から、「みのり・とし」を表します。
「歩」の部分は、「一年が終わって次の年へと歩む」という意味です。
「年」も「歳」も「一年」のこと
「年」は単一で一年を表し、「歳」は常に複合語の一部として用いられます。
「年」「歳」「周年」は類語です。
共通する意味は、「四季が一巡する時間。
太陽暦では地球が太陽を一周する期間のこと」です。
「年」は、単一で一年を表しますが、「歳」は単独では用いられません。
常に複合語の一部として用いられます。
「年」「歳」が接尾語として使われる場合、「年」は、「年数」「年号」「学年」などを数えるのに使われます。
一方、「歳」は、年齢を数えるのに使われます。
「周年」は、数を表す言葉に付いてその年が経たことを表します。
接尾語として用いられます。
以下のように使われます。
「五年生」「年齢」「学年」
「歳月」「歳末」「歳費」「満二十歳」
「創立二十周年」「三十周年記念講演」