アールヌーボーは「ヨーロッパを中心に19世紀末から20世紀初頭に起きた美術運動のこと」。
「既存様式打破」と言い換えると分かりやすい。
アールデコは「アールヌーボーの後に起きた装飾の傾向のこと」。
「装飾新様式」と言い換えると分かりやすい。
これらは建築や家具・絵画・ガラス工芸・陶芸・金属工芸・室内装飾など多岐に及びました。
アールヌーボーはフランス語で「新しい波」という美術運動のこと
アールヌーボーは19世紀後半にヨーロッパを中心に、既存の格式ばった様式を打破しようとして起きた新しい国際的な美術の運動でした。
植物や昆虫・木・動物などをモチーフにした新しい装飾が作られ、素材としてガラスや金属なども使われました。
自由曲線の組み合わせなど従来の様式に捉われない装飾性や、自然界に刺激されたフォルムが好まれ、主にブルジョアの間で広がりました。
アールデコはアールヌーボーが衰退した後に起きました。
アールデコは1925年のパリ万国博覧会で有名になりました。
アールヌーボーが自然界をモチーフにした美術様式であれば、アールデコはそのような装飾を排除した、近代的な装飾の様式でした。
例えば古代エジプト美術・アステカ文明・東洋美術などを取り入れた幾何学的な装飾が好まれました。
富裕層のブルジョアに好まれたアールヌーボーと違いアールデコは大衆に好まれたものです。
アールヌーボーとアールデコはデザインで区別がつく。
アールヌーボーのデザインは花や草・昆虫・唐草模様・女性・自由な曲線など暖かい感じが特徴になります。
アールデコのデザインは直線・斜線・四角形・円形・連続模様などで、くどい装飾はなくスッキリしたイメージがあります。
どちらのデザインも建築やグラフィックデザイン・家具・工芸・装飾品など広い分野に影響を与えました。
アールヌーボーもアールデコも現代でも骨董品として珍重されます。
100年以上も昔のことですが、アールヌーボー様式やアールデコ様式は現代でも珍重されています。
装飾品では指輪やブローチ・ペンダント・金細工・ジュエリー類など当時のものが骨董品として出回っています。
ミエール・ガレはアールヌーボーの巨匠と言われたフランスの工芸家です。
ガレのガラス製のランプや陶器は人気があります。