「空」は、地上に広がる空間です。
英語では「the sky」「the air」で表されます。
「天」という意味の場合「the sky」で表されます。
「空中」という意味の場合「the air」です。
「たこが空に舞い上がった」は「The kite soared up into the sly. 」です。
「大空」は、広大な空です。
英語では「the sky」で表されます。
「大空に舞う鳶」は「a kite circling in the sky」です。
「今にも泣きだしそうなそら」は「a threatening sky」です。
「空」の意味
「空」は、以下のような意味です。
①地上に広がる空間です。
地上から見上げる所です。
「天」「大空」「虚空」と同じ意味です。
②空模様のことです。
「天候」「時節」と同じ意味です。
③落ち着く所のない、不安定な状況です。
④心が動揺し落ち着かないことです。
⑤根拠のない事です。
当て推量することです。
「うそ」と同じ意味です。
⑥無益な事です。
かいのない事です。
⑦「暗記」「暗誦」のことです。
枕草子(191)に「六の巻空で読む」とあります。
⑧「うえ」「てっぺん」のことです。
以下のように使います。
空を飛ぶ鳥 西の空が赤く染まっている 飛行機は空の彼方へ消えていった
「大空」の意味
「大空」は、以下のような意味です。
①広大な空です。
はてしなく広い空です。
万葉集(10)に「大空ゆ往来(かよ)ふ我すら」とあります。
②いいかげんにするさまです。
「なおざり」と同じ意味です。
発心集に「かように大空なることを忘れずに心かくることは」とあります。
③ぼんやりとしているさまです。
御伽草子(物ぐさ太郎)に「大空なるけしきにて」とあります。
以下のように使います。
大空を翔る 鷹が大空へはばたいた 大空者
古典の「空」と「大空」
☆源氏物語の「空」
①「天」「天空」という意味です。
(桐壺)に「月は入り方の空清う澄み渡れるに」とあります。
②「空模様」という意味です。
(明石)に「雨など降り、空乱れたる夜は」とあります。
③「方向・場所」という意味です。
(藤裏葉)に「乱り心地、いと堪へがたくて、まかでむ空も、ほとほとしくこそ侍りぬべけれ」とあります。
☆新古今集の大空の名歌
「大空は梅のにほひにかすみつつ曇りも果てぬ春の夜の月」
作者:藤原定家
訳:大空は梅の花の良い香りにかすみ続け、その中ですっかり曇ってしまわない春の夜の朧月
「空」は地上に広がる空間、「大空」は 広大な空です。
「空」「大空」は、類語です。
「天空」「天」「虚空」は、これらの言葉の関連語です。
共通する意味は「地上の上方に広がる広くて高い空間全体」です。
「空」は、地上から見上げる所です。
「大空」は、「空」の広がりを強調した言い方です。
☆関連語
「天空」は、はてしなく広がる空をいいます。
日常の話し言葉ではあまり使いません。
「天空をかける天馬」のように使います。
「天」は、空の無限に高いところをいいます。
反対語は「地」です。
「天を仰ぐ」「天高く馬肥ゆる秋」のように使います。
「虚空」は、天地の間の空間です。
多くの場合、「虚空をつかむ」のような形で、断末魔で苦しみもがくさまを表わします。