「納品書」は注文を受けた側(「受注者」「販売者」)が商品を納めるにあたって発行するものです。
「この商品を確かに納めましたよ」という意味を持ちます。
「物品受領書」は注文を出した側(「発注者」「顧客」)が商品を受け取るにあたって発行するものです。
「この商品を確かに受け取りましたよ」という意味を持ちます。
(ここでいう「商品」とは、サービスなどの無形のものも含みます)
「納品書」は納めた商品の内訳を示すもの
「納品書」は、販売者が商品に添付するものです。
納品した商品の品名や数量、および納入日や金額などが書かれています。
顧客としては、商品を受け取る際にいちいち梱包を解いてひとつひとつ確認することなく、記載内容を確認することで注文した通りの物が届いたかどうかを確認することができます。
また、梱包を解いてみたら中の商品が違っていた、というケースでは、納品した販売者が確かに発行した「納品書」を元に問い合わせることができます。
「物品受領書」は商品を受け取ったことを証明するもの
「物品受領書」は、(本来は)顧客が商品を受け取る際に販売者に対し発行するものです。
受け取った商品の品名、数量、受取日や金額などが書かれています。
販売者が発行しそこに顧客がサインをする形式もあります。
商品を納品した販売者としては、顧客からの「受け取った」という意思表示を示す書類となり、後日「注文したものが届かない」という問い合わせがあった際、確かに顧客が発行した(またはサインした)「物品受領書」を元に納品したことを主張することができます。
なお、「物品受領書」は「受け取った」ということを証明する物であり、顧客が注文に合ったものであることを認めたことを示す書類としては「検収書」と言うものが別にあります。
どちらも発行することに義務はない
「納品書」も「物品受領書」も、発行することが義務付けられているわけではありません。
したがって商品に「納品書」を添付しなかったからからと言って法的に訴えられることはありませんし、古くから取引をしている者同士であればそういう書類なしの付き合いというものもあります。
しかし、書類そのものよりもそういった書類を発行する「姿勢」こそが取引において安心感をもたらすものであり、だからこそいわば形式的な習慣と化したこの書類が、多くの取引においてやり取りされているのです。
納品、受け取りの際はご注意を
「納品書」と「物品受領書」の違いをややこしくしている要因の一つに、上述の「「物品受領書」を販売者が発行する」という形式があります。
「納品書」と「物品受領書」を同封することもありますし、1枚の紙に並べて印刷してあって納品時に切り離す、という書式のものもあります。
自分の立場を踏まえて、納品しに行って「納品書」を持ち帰ることのないようにしましょう。