静めるは「気持ちを落ち着けること。」
「落ち着き」と言い換えると分かりやすい。
鎮めるは「騒乱などを押さえ付けること」。
「鎮圧」と言い換えると分かりやすい。
静めるは期待や不安・恐怖などで、気持ちが昂り乱れるのを落ち着かせることです。
鎮めるは例えば、暴動や騒乱などを警察や軍隊が出動して鎮圧すること、魂や神の怒りを宥めることです。
「静める」は冷静になること
「静める」の「静」は「青と赤の調和」と言う語源から「調和がとれて落ち着く」から「静める・静まる」と言う意味になりました。
「静める」は「昂った自分の気持ちを落ち着かせること」です。
例えば「自分の悪口を言っていた人とすれ違った時に、胸の高鳴りを覚えたが悔しい気持ちを静めた」「興奮している人の気持ちを静めた」と使います。
「鎮める」は押さえ付けるという意味
「鎮める」の「鎮」は「金属の重し」の意味から「押さえ付ける・重し・しずめる」と言う意味になりました。
「暴徒は警察により鎮められた」「頭の痛みを薬で鎮めた」「神の怒りを鎮めた」「さまよい怒れる魂を鎮めた」などと使います。
熟語では「鎮静剤」「鎮圧」「鎮静化」「鎮魂塔」など、他に風を押さえ付ける「文鎮」「風鎮」などがあります。
動的なものを「鎮め」て、静的なものに「静め」た。
「鎮める」は暴徒・頭の痛み・神・魂・勢力など動的なイメージのあるものを静的なものにすることです。
動的は動き回ること、活動的なことですから「鎮める」は動きを止めること、ジッとさせること、押さえ付けることになります。
動き回るもの・活動的なものを物理的に止めることや、魂や神の怒れる気持ちを「静める」と言うことです。
「静める」と「静める」
「静める」は気持ちを落ち着かせることです。
「鎮める」は動き回るものを押さえ付けて止まらせることです。
「好きな人に見つめられ、胸が高鳴ったが気を静めた」「先生は教室のうるさく騒いでいた生徒たちを鎮めた」「霊が騒ぐのを祈?師は鎮めたという」「航空機墜落の現場に慰霊碑を作り、犠牲者の魂を鎮めた」などと使います。