食い違いは「一致することが望ましい事柄に関して一致していない状況のこと」。
本来は一致することが求められるものの、それが一致していないケースで使うので、使用できる場面はやや限定的です。
齟齬は「意見や事柄が一致していない状況のこと」。
食い違いにかなり似ているように見えますが、一致することが望ましいという前提条件はありません。
「食い違い」の意味
食い違いとは、一致することが望ましい事柄に関して一致していない状況のことです。
一致させる必要があるものに関して、一致していない状況を指しているため、使用できるケースはそれだけ少ないと言えるでしょう。
単純に一致していないという状況だけでは足りないわけですから。
この前提条件は特に覚えておく必要があります。
「齟齬」の意味
齟齬とは、意見や事柄が一致していない状況のことです。
単にそういう状況があればいいので、いろいろなシーンで使うことができるでしょう。
一致することが求められるとか、そういう前提条件が必要ない点は特徴的です。
したがって、食い違いよりも多くの場面で使用できると言えるので、そこに関しては頭に入れておくと良いでしょう。
「食い違い」と「齟齬」の用法や用例
「今回の事件には目撃者が複数いるのだが、いずれもその証言に食い違いが見られる。
一致していれば、非常に信ぴょう性が高い状況と言えるのだが、証言それ自体が全く当てにならない状況なんだよな。」
「昨日は飲み会で飲みすぎて記憶がない。
当時俺がどんなことをしていたか、周りの人間に今日聞いてみたんだが、人によって言っていることが異なる、齟齬が見られるんだ。」
食い違いと齟齬は一致しないこと
食い違いと齟齬に関しては、ともに一致しない状況を表しています。
したがって、一見するとほぼ同じ意味の言葉に見えるのです。
しかし、実際は前提条件に違いがあり、食い違いは一致させることが望ましいケースで一致しない状況を表しており、そこは齟齬と明らかに違っています。
だから、区別をすることは割と容易と言えるでしょう。