「重傷」「痛手」「深手」の三語は、英語では「a serious wound」「a serious injury」「a severe wound」「a heavy wound」で表されます。
「重傷」は、「重い傷」「大けが」のことです。
英語では「a severe wound」「a serious injury」で表されます。
「wound」は、銃・刃物・武器による外傷のことです。
「痛手」は、「重い手きず」という意味です。
「彼女は心に痛手を負った」は「her heart was broken.」「It was a terrible blow to her.」です。
「深手」は、深い傷のことです。
「彼は深手を負って倒れた」は「he fell, seriously wounded.」です。
「重傷」の意味
重傷」は、「重い傷」「大けが」のことです。
反対語は、「軽傷」です。
程度がはなはだしい意味でも使います。
以下のように使います。
全治六ケ月の重傷 重傷を負う 重傷者
重傷患者が運び込まれた 重傷で手術がすぐに必要だ
<傷の漢字>
字義は「きず」「傷つく」「やぶれる」「そこなう」「いたむ」「いためる」「いたましい」です。
現代表記では、身の「傷・きず」は「傷」を用いますが、それ以外には「きず」のように仮名書きが一般的です。
解字では、「人+矢+昜」で構成されます。
「矢+昜」の部分は「きず」を表します。
「人」を付して「きず・いたむ」を意味します。
「痛手」の意味
「痛手」は、「重い手きず」という意味です。
「深手」「重傷」のことです。
古くは、戦いで受けた深い傷を指しました。
著聞(439)に「早く痛手を負ひて、いかにも延ぶるべく覚えぬに、この頸(くび)打て」とあります。
意訳は「すでに重傷を負って、生き長らえそうにも思えないので、この首討ち取れ」です。
転じて、「ひどい打撃・損害」という意味になります。
物質的・精神的に受けた大きな打撃のことです。
以下のように使います。
痛手を負う 痛手を受ける
円高による痛手 失恋の痛手 不況で痛手を受けた
「深手」の意味
「深手」は、深い傷のことです。
「重傷」「大けが」のことです。
反対語は「浅手」「薄手」です。
以下のように使います。
深手を負う
深手に屈しない
<浅手>
古風な言い方です。
浅い負傷のことです。
「薄手」「軽傷」のことです。
太平記(26)に「深手浅手負わぬ者も無かりければ」とあります。
意訳は「重い傷や浅い傷を負わない者もなかったので」です。
英語では「a slight wound」で表されます。
「重傷」は「重い傷」「大けが」のこと、 「痛手」は「重い手きず」という意味、「深手」は、深い傷のこと
「重傷」「痛手」「深手」は、類語です。
「致命傷」は、これらの言葉の関連語です。
共通する意味は「深い傷・ひどい傷・重い傷」です。
「重傷」は、一般的に使われます。
「痛手」は、「円高による痛手」「失恋の痛手」のように物質的、もしくは、精神的に大きな打撃を受けた場合にも使われます。
「深手」は、和語です。
古めかしい言い方です。
「致命傷」は、命にかかわるような傷のことです。
「頭の傷が致命傷になった」のように使います。