「承知しました」と「了解しました」は、相手の要求や命令に対する返事に使われる言葉です。
「承知」は、相手の依頼・希望・命令などを聞き入れることです。
「確かに承知しました」「あなたの提案を承知できない」のように使います。
また、詳しい内容や事情を良く判っていることです。
「無理を承知でお願いしています」のように使います。
さらに、「~しない」形で使い、「許さない」「勘弁しない」という意味を表します。
「約束を破ったら承知しないぞ」のように使います。
「了解」は、悟ることです。
会得することです。
理解して認めることです。
「諒解を求める」「暗黙の了解」のように使います。
「承知」の意味
「承知」は、旨をうけたまわって知ることです。
知っている事です。
浄瑠璃(神霊矢口渡)には、「委細承知つかまつる」とあります。
「すでにご承知の通り」「そのことを十分承知している」「互いに承知の上でしたことだ」「あらかじめご承知おきください」のように使います。
また、聞き入れることです。
「承諾」と同じ意味です。
東海道中膝栗毛(初)には、「貴様は諸事を息子気取りだが承知の助か」とあります。
「はい承知しました」「合点承知」「彼との結婚を承知した」「海外旅行を両親が承知しない」「とても承知できない条件だ」のように使います。
打消しの言葉を伴って、とがめずに見逃すことです。
許すことです。
「嘘をついたら承知しない」「約束を破ったら承知しない」のように使います。
英訳する場合、「Know/ understand/ agree/ consent/allow me to/ permit me to 」で訳されます。
「了解」の意味
「了解」は、物事の意味・内容・事情などを理解することです。
理解した上で承認することです。
「了解を求める」「暗黙の了解」「雑誌に転載の了解を求める」「その件について了解済み」
「上司の了解を得る」「父の了解を得て参加します」「なにとぞご了解ください」「君の言うことを了解できない」のように使います。
「了解」は、無線通信で通信内容を確かい受け取ったことを表し言葉です。
「~してください」「了解」「はい、了解しました」のように使います。
英訳する場合、「Understand/ comprehension /agreement/ consent/all right /roger/ O.K. 」で訳されます。
「承知」と「諒解・了解」の字義と解字
「承」の字義(漢字の意味)は、「うける」「つぐ」「次第・順序」「助ける」「ふせぐ」です。
解字(漢字の解説)に於いて、「承」は一部分が身をかがめる人の象形で成っています。
身をかがめた人を両手で持ち上げる状態をかたどって「両手で持ち上げながら受け取る」という意味を表します。
「知」の字義(漢字の意味)は、「しる」「しらせる」「知ってる事柄」「知恵」「知人」「もてなし」「耳目の欲望」「たぐい」「州や県の長官」です。
解字(漢字の解説)に於いて、「知」は「口+矢」で構成されています。
「口」の部分の意味は、「祈る言葉」です。
「矢」の部分は、「矢」を意味します。
「矢を添えて祈り、神意を知る」という形から、「しる」を意味します。
「諒」の字義(漢字の意味)は、「まこと・真実」「まこととする」「まことに」「しる」「思いやる」です。
解字(漢字の解説)に於いて、「諒」は「言+京」で構成されます。
「京」は、「量」に通じ、「はかる」の意味を表します。
「相手の心を思いはかる」「まこと」の意味を表します。
現代表記では、「諒」は「了」に書きかえられます。
「解」の字義(漢字の意味)は、「とく」「とける」「できる」「とおす」「易の六十四卦(カ)の一つ」「古体詩の一段落のこと」「文体の一種」です。
「とく」という意味の場合、「動物の体を切り裂く」「バラバラにする」という要素が含まれます。
解字(漢字の解説)に於いて、「解」は、「刀+牛+角」で構成されます。
「刀で牛を裂く様」から「分解する・とく」の意味を表します。
「承知」は頼みを聞き入れること、「了解」は物事の内容を理解し認めること
「了解」「承知」「了承」は、類語です。
共通する意味は、「相手の要求や行為を理解して認めたり許したりすること」です。
「了解」「了承」は、事情や事柄の内容などを理解して認めることです。
「了承」は、相手の示した案などを認める手続き上の行為でもあります。
「承知」は、申し入れや頼みを聞き入れることです。
「了解」「了承」は、「諒解」「諒承」とも書きます。