正当防衛は「急迫不正の侵害に関して、自分または他人を守るためにやむを得ず行った侵害行為のこと」。

正当防衛が認められれば、法律上の責任が阻却され、犯罪が成立しません。

緊急避難は「急迫の危難を避けるために、やむを得ず行った侵害行為のこと」。

緊急避難が認められれば、法律上の責任が阻却され、犯罪が成立しません。

「正当防衛」の意味

正当防衛とは、自分または他人が誰かから受けた急迫不正の侵害に対して、相手に対して侵害行為を働くことです。

分かりやすい例で言えば、殺されそうになったために、その相手を逆に殺したといった状況です。

警察などを呼んでいる暇ないほどに差し迫った状況下で、相手に対して侵害行為を行っても、責任が阻却されて犯罪にならないとするのが正当防衛なのです。

「緊急避難」の意味

緊急避難とは、急迫な危難に関してやむを得ず行った、他人などへの侵害行為と言えます。

分かりやすい例で言えば、船が転覆して海に投げ出されたが、自分は浮き輪を持っていないというときに、他人が持っている浮き輪を奪って自分が生き延び、奪った相手が死んでしまったという状況です。

緊急避難が認められれば、責任は阻却され、犯罪は成立しません。

「正当防衛」と「緊急避難」の用法や用例

「暴漢に襲われた女性が結果的に暴漢を殺してしまった事件で、正当防衛が認められるか?に関して世の中の注目が集まっているな。

裁判所はどう判断するのだろう?」

「緊急避難というのは条件がかなり厳しく、認められないケースが割とあるみたいだな。

誰かを死なせてしまうケースにおいて、その死なせてしまった相手は悪くないわけだからな。」

正当防衛よりも緊急避難の方が認められにくい

正当防衛は不正な侵害行為をしてくる相手に対する侵害行為ですけど、緊急避難は自然災害などがきっかけで、特に悪くない相手に対する侵害行為になります。

したがって、正当防衛よりも緊急避難の方が認められる確率は当然低くなり、そこが大きな違いと言えるでしょう。

条件がかなり厳しいので、緊急避難が成立するケースは相当限られます。

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