無罪は「裁判において有罪ではなかった、有罪にすべき状況が存在しなかったこと」。
状況から言って、無罪にすべきであることが妥当であると裁判所が判断したという事実があるということです。
無実は「事実として犯人ではないということ」。
つまり、有罪だろうが、無罪だろうが、犯人じゃない状況であれば無実と言えるということになります。
「無罪」の意味
無罪とは、裁判所の判断により有罪とすべきではない状況であったということです。
実際、被告とされている人物が犯人であるか?どうかの真実性は問われません。
本当に犯人であったとしても、無罪になるということは理論上、現実的にありえます。
つまり、有罪、無罪の判断というのは事実と必ずしもリンクするわけではないということです。
「無実」の意味
無実とは、犯人ではないという意味であり、特定の人物が犯人ではないという事実があったときには、それは無実であると言えるのです。
しかし、それを確実に知っているのは本人のみと言え、本当に犯人なのか?そうじゃないのか?の判断を裁判所が有罪、無罪という形でしていくことになり、結果的に無実なのに有罪になるということがありえるのです。
これはえん罪と言われることになりますが。
「無罪」と「無実」の用法や用例
「あの殺人事件の裁判が行われ、被告は無罪ということになった。
誰の目から見ても怪しいと言われていただけに有罪が有力視されていたが、裁判所は有罪とすべき状況ではないと判断したのだろう。」
「無実なのに有罪を判断されるえん罪は、本当に理不尽だなと思うけれども、裁判所がやっていることは真相究明ではなく、どちらの言い分が客観的に正しそうか?の判断なんだよな。」
無罪と無実は全くの別の概念
無罪と無実というのは同じ意味として解釈している人もいるかもしれませんが、意味は全く違うのです。
無実の人は無罪になるとは限らず、無実なのに有罪というケースもありえるからです。
無罪というのは裁判所の判断であり、事実と一致するとは限りませんが、無実は犯人ではないという事実と一致するので、そこが大きな違いになるのです。