「規定」は、物事の内容・手順・方法などを一定の形に定めることです。
物事の「決まり」という意味です。
「自由の概念を規定する」「既定の限度額を越える」「会の規定に反する」「規定種目」などと使います。
また、法令の条文として定めることを言います。
そして、その条文を指します。
「労働規定」「罰則規定」などと使用します。
一方、「規約」は、団体・組織が協議して決めた規則のことです。
「規約改正」などと使います。
「規定」の意味
「規定」は、物事の規則や規準を決めることをいいます。
そして、その規則・規準・定めを指します。
また、法令の条文として定めることを言います。
その法令の個々の条文のこともさします。
科学に於いては、溶液の濃度を表す単位として使用します。
1?の溶液に1gの溶質を含む場合、1規定の溶液と言います。
「規定液」「規定打席数」「罰則規定に従う」のように使います。
英訳では、「A rule/a regulation /provisions /prescribed/regular」のように表されます。
「規約」の意味
「規約」は、とくに団体や組織の維持・運営をするために、参加者が協議して決めたことです。
組織・団体内で、その構成員に適用するために定めた規則を言います。
「規約に従う」「国連規約」「規約改正」のように使われます。
英訳では、「An agreement/an articles of an association /rules 」のように表されます。
「規定」と「規約」の用法や用例
「規定」や「規約」の類語には、「規則」「きまり」「規程」「規律」「ルール」などがあります。
共通する意味は、「それについて物事が行われているように定められた約束ごと」です。
「規則」は、「何らかの目的のための行動や手続きなどに関して定められたこと」という意味です。
「学校の規則」「就業規則」「規則正しい生活」「規則的な音」のように使います。
「きまり」は、「規則」と同じ意味です。
規則ほど堅苦しくなく、仲間内での約束事など広い範囲で使われます。
風習や習慣を指す場合もあります。
「毎朝、散歩をするのが私のきまりだ」「祭りに参加するのが、この地区の決まり事だ」などです。
「規約」は、とくに団体や組織の維持・運営をするために参加者が協議して決めた約束事です。
「団体規約を守る」のように使います。
「規定」は、物事のやり方、内容などを決まった条文として定めることです。
また、その定められた約束事をいいます。
「規定演技は、最高点だ」のように使います。
「規程」は「規定」と同じ意味ですが、官公庁の内部執務に関する事柄を表す場合に用います。
「官吏は規程に縛られる」のように使います。
「規律」は、個人の生活や集団の秩序を維持するためのきまりやけじめをいいます。
英訳では「discipline」で表されます。
「ルール」は、とくにスポーツで規則・規定の意味で使用されます。
また、正統なもの正当なやり方という意味で使用されます。
「民主主義のルール」「裏工作はルール違反だ」のように使います。
まとめ
「規定」は、物事の内容・手順・方法を定めること。
「規約」は、団体・組織の維持に使われる決まりのこと。
「規定」と「規約」は類語で、「物事の決まり」という点では同じですが、「規定」は、物事の内容・手順・方法などを一定の形に定めることをいい、それらを法令の条文として定めることや、その条文を指します。
一方、「規約」は、とくに団体や組織の維持・運営をするために参加者が協議して決めた約束事です。
よって、「規定」は一般的に適用されるのに対し、「規約」は特定の団体・組織に適用されます。