アリは「ハチ目」に属しており、完全変態を行う昆虫です。
変態というのは、生育過程において形態を変えることです。
また、アリは雌(メス)が中心になっており、女王と不妊の雌の職蟻で構成されています。
雄(オス)は一時的にしか生まれません。
一方、シロアリは「ゴキブリ目」に属する不完全変態の昆虫です。
生殖虫(王、女王)・職蟻・兵蟻で構成されており、それぞれに雌雄が含まれています。
アリとは
女王アリには貯精嚢(ちょせいのう)があり、一生分の精子を貯めておくことができるため、一度交尾を済ませると、生殖能力は生涯持続できます。
一部の種類を除き、シロアリの女王のような特異な形はしておらず、また他の階級のアリより一回り程度大きいに過ぎません。
アリは一部の種類を除き、兵蟻(兵隊アリ)がいません。
その理由は、アリは基本的に捕食性の強い肉食であるため、職蟻自体が攻撃性が高いためです。
シロアリとは
シロアリの女王アリには貯精嚢が無いため、卵を産み続けるには定期的に交尾を繰返さなくてはなりません。
それが雄の生殖虫(王アリ)が存在する大きな理由です。
雌の生殖虫(女王アリ)は羽アリとして群飛した後、コロニー(巣)が発達してくると腹部が異様に発達し、産卵に特化した形に変化します。
なお、シロアリは枯死植物をエサとしているため、基本的に攻撃性が低いことから、全ての種類に兵蟻がいます。
シロアリの階級の構成
シロアリの階級は3段階になっていますが、それぞれのシロアリは以下の働きをします。
・王、女王
1つの巣に一対の王・女王がおり、生殖を行います。
・兵蟻
兵蟻は1つの巣に2~3%います。
頭部の大きいのが特徴で、外敵に噛み付き、分泌物を出して侵入を防ぎます。
エサは職蟻からもらいます。
・職蟻
コロニー内の大多数を占め、食べ物の確保や幼虫の世話などをします。
シロアリの天敵はアリ
アリは蜂、シロアリはゴキブリの仲間というのが、根本的な違いです。
アリの社会は大半が女王と職蟻だけで構成されています。
それに対し、シロアリはほとんどの種に兵蟻がいます。
なお、アリはシロアリにとって、最も恐ろしい天敵の1つであり、熱帯ではシロアリを主な獲物としているアリが少なくありません。
日本ではオオハリアリなどがシロアリを捕食しています。