「濛々・もうもう」は、霧や小雨などが立ちこめて薄暗いさまです。
英語では以下のように表されます。
「濛々とした煙」は「thick billows of smoke」「thick columns of smoke」です。
「トラックが通ると砂煙が濛々と上がる」は「Trucks raise thick clouds of dust as they pass. 」です。
「蒼然・そうぜん」は、夕暮れの薄暗いさまです。
英語では「dull」で表されます。
「空が蒼然と(どんより)している」は「The sky is dull. 」です。
「濛々・もうもう」の意味
「濛々・もうもう」は、以下のような意味です。
①霧や小雨、また煙・湯気などが一面に立ちこめて薄暗いさまです。
②精神がぼんやりとしたさまです。
太平記(27)に「執事兄弟只濛々としたるばかりにて」とあります。
③病気です。
御湯殿上日記に「御むろ御濛々にて」とあります。
以下のように使います。
一面濛々とした煙が立ち込める 砂塵濛々
「蒼然・そうぜん」の意味
「蒼然・そうぜん」は、以下のような意味です。
①蒼い色です。
青ざめているさまです。
②夕暮れの薄暗いさまです。
③古びて色あせたさまです。
以下のように使います。
暮色蒼然 顔色蒼然 古色蒼然 蒼然たる月光
☆然の漢字
字義は「しかり」「しかりとする・もっともと認める」「しかする・そのようにする」「しかして」
「しか・そのように」「しかも・その上」「句末に用いる助字」「他の語の下について状態を表す語」
「もえる」です。
解字では、「犬+肉+火」で構成されます。
これらにより「犬の肉を火で焼く」を表し「もやす」を意味します。
借りて、「しかり」「しか」を意味します。
関連語
「模糊・もこ」は、ぼんやりしていることです。
「曖昧模糊」のように使います。
☆billowsと columns
「billows」
名詞の意味は「大波・うねり」「炎・煙・音など波のようにうねるもの」です。
「濛々と逆巻く煙」は「billows of smoke」です。
「 column」
原義は「円柱」→「円柱状の物」→「縦の欄」→「コラム」のように変化しました。
名詞です。
「円柱」「円柱状の物・煙などの柱」「コラム」「ページ中の各段」「行列・縦列」「ずいちゅう」です。
「水銀柱」は「a column of mercury」です。
「濛々・もうもう」は 霧や小雨などが立ちこめて薄暗いさま、「蒼然・そうぜん」は 夕暮れの薄暗いさまです。
「どんより」「昏々・こんこん」「陰々・いんいん」「濛々・もうもう」「蒼然・そうぜん」は、類語です。
「模糊・もこ」は、これらの言葉の関連語です。
共通する意味は「暗いさま」です。
「濛々・もうもう」は、霧・ほこり・煙・小雨などが立ち込めてあたりが薄暗いさまです。
「蒼然・そうぜん」は、夕暮れの薄暗いさまです。
文章語です。