「獰悪・どうあく」は、性質が荒々しく悪強いことです。
英語では「ferocity」「savagery」で表されます。
「獰猛・どうもう」は、性質が荒くたけだけしいことです。
英語では「fierce」「ferocious」で表されます。
「獰猛な顔つきをする」は「look fierce」です。
「獰猛なブルドッグ」は「a ferocious bulldog」です。
☆獰の漢字
字義は「わるい」「犬の毛の多いさま、また憎々しいさま」です。
解字では、「?(犬)+寧」で構成されます。
「寧」の部分は「佞・ねい」に通じ、「口先がうまい」を表します。
これらにより「憎らしげでたけだけしい犬」を表し「憎々しい」を意味します。
「獰悪・どうあく」の意味
「獰悪・どうあく」は、性質・容貌などが憎らしげで、荒々しく悪強いことです。
凶悪なことです。
夏目漱石著(吾輩は猫である)に「書生といふ人間の中で一番獰悪な種族」とあります。
以下のように使います。
獰悪な殺人犯 獰悪な人
☆savagery
名詞です。
「残忍さ・獰猛さ」「未開・野蛮」「残忍な行為」という意味です
☆ferocity
名詞です。
「獰猛さ・残忍性」「蛮行」という意味です。
「獰猛・どうもう」の意味
「獰猛・どうもう」は、性質が荒くたけだけしいことです。
性質が悪く強いさまです。
性質が荒々しく乱暴なことです。
以下のように使います。
獰猛な犬 獰猛な虎 獰猛な顔つき
☆ferocious
形容詞です。
「獰猛な・残忍な」「すごい・ひどい」という意味です。
「猛獣」は「a ferocious animal」です。
「ひどい大吹雪」は「a ferocious blizzard」です。
「獰猛な」は「ferocious」「savage」「fierce」です。
「残忍な」は「cruel」「cold-blooded」「ferocious」「fierce」です。
関連項目
☆関連語
「激越・げきえつ」は、感情が激しく高ぶって、荒々しいさまです。
文章語です。
「激越な文章」のように使います。
「猛悪・もうあく」は、たけだけしく凶悪なさまです。
「猛悪な武将」のように使います。
「鉄火」は、多くの場合、女性の気性がさっぱりして激しいさまをいいます。
「鉄火な姉御」「鉄火肌」のように使います。
☆fierce
原義は「野生のままで荒々しい」です。
形容詞の意味は「獰猛な・残忍な」「激しい・熱烈な」「すさまじい・猛烈な」「難しい」です。
「獰猛な犬を連れ武双下護衛達」は「armed guards accompanied by fierce dogs」です。
「獰悪・どうあく」は 性質が荒々しく悪強いこと、 「獰猛・どうもう」は 性質が荒くたけだけしいことです。
「狂暴」「凶暴」「凶猛」「獰悪・どうあく」「獰猛・どうもう」は、類語です。
「激越」「猛悪」「鉄火」は、これらの言葉の関連語です。
共通する意味は「度外れて乱暴であるさま、きわめて荒々しいこと」です。
「獰悪・どうあく」は、性質が凶悪で荒々しいことです。
文章語です。
「獰猛・どうもう」は、性質が残忍で乱暴なことです。