「恵む」は、哀れに思って物品を与えることです。
英語では「have mercy」「do a person a kindness」「give alms」で表されます。
「情けをかける」という意味の場合「have mercy」を使います。
「恩恵を与える」という意味の場合「do a person a kindness」です。
「施しをする」という意味の場合「give alms」です。
「食べ物を恵んでください」は「Please give me something to eat. 」です。
「施す」は、哀れみの気持ちで恵まれない人達に慈善的行為をすることです。
英語では以下のように表されます。
「慈善心からお金を施す」は「give money out of a sense of compassion」です。
「人々に恩恵を施す」は「do a person a favor」です。
「慈善を施す」は「practice charity」「engage in charitable work」です。
「恵む」の意味
「恵む」は、以下のような意味です。
①情けをかけることです。
哀れむことです。
万葉集(19)に「四方(よも)の人をもあぶさわず恵みたまへば」とあります。
②哀れに思って物品を与えることです。
施すことです。
大鏡(道長)に「飯・酒しげく賜び、持ちて参る果物をさへ恵み賜び」とあります。
以下のように使います。
恵まれない子供を援助する 海産物に恵まれた漁港
「施すの意味
「施す」は、以下のような意味です。
①哀れみの気持ちで恵まれない人達に慈善的行為をすることです。
恵み(金品)を与えることです。
「恵む」「授ける」と同じ意味です。
②植物の生長を促すために肥料を与えることです。
「畑に肥料を施す」のように使います。
③装置・設備を備え付けることです。
「客室に豪華装飾を施す」のように使います。
④効果・影響を期待してあることを行うことです。
「患者に特別な治療を施す」のように使います。
⑤本体にある物を取り付けることです。
「顔に隈取りを施す」のように使います。
⑥評価にたがわぬ名誉・体面を保つことです。
「優勝して面目を施す」のように使います。
<関連語>
「供与」は、相手の欲しがっている品物や利益を与えることです。
「便宜を供与する」のように使います。
「提供」は、他人がしようとしていることの助けとなる資料や素材などを差し出すことです。
「情報を提供する」のように使います。
「授与」は、賞や証書などを授けることです。
「卒業証書授与」のように使います。
「恵与・けいよ」は、何かを与えられた時、それを感謝して言う言葉です。
「記念品を恵与された」のように使います。
「恵む」は 哀れに思って物品を与えること、「施す」は 哀れみの気持ちで恵まれない人達に慈善的行為をすることです。
「与える」「授ける」「恵む」「施す」「やる」「あげる」「差し上げる」「くれる」「くださる」「賜る」は、類語です。
「供する」「供与」「提供」「授与」「恵与・けいよ」は、これらの言葉の関連語です。
共通する意味は「ある者が、ある者の方へ利益となる物事を移動させること」です。
「恵む」は、困っている者を哀れんで、いくらかの金品をその者に移動し所有させることです。
多くの場合、「恵んでやる」「恵んでもらう」「恵まれる」のように、援受の動詞をともなった形や受け身で用います。
「施す」は、弱い立場の者に無償で利益となるものを与えることです。
植物に対して肥料を与える時にも使います。
「改訂を施す」「漢字にふりがなを施す」「策を施す」のように、何らかの効果が表れるように何かを付け加えることや行うこともいいます。