「哀」と「衷」と「衰」の違い・意味と使い方・由来や例文

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哀は「いつくしむこと、悲しいこと」。

「哀愁」と言い換えると分かりやすい。

衷は「かたよらないこと、心からということ」。

「衷心」と言い換えると分かりやすい。

衰は「次第におとろえていくこと」。

「衰退」と言い換えると分かりやすい。

これらの漢字は字面が非常に似通っていて、各場合似間違えることが多い文字になります。

「哀」はあわれということ

「哀」は音では「あい」、訓では「あわれ、かなしい」と読みます。

「哀愁を感じる秋の風景」「哀惜の念を禁じ得ない」「哀悼の意を表するものである」「哀歌は悲しい歌」「悲哀を感じる」などと使います。

「哀」は「悲しい、あわれに思う、可哀相に思う、泣きつく」などの意味を持ちます。

語源は「口と音符の衣」から出来ています。

「衷」は心からという意味

「衷」は「中と衣」からなる漢字で、「原義は肌着のこと、転じて心の中、心から、偏らない」などの意味になります。

熟語と用法は「衷心よりお悔み申し上げます」「和洋折衷の作り」「折衷案をまとめる」「苦衷は苦しい気持ちのこと」「和衷は心からなごむこと」などがあります。

「衷」の音は「チュウ・チュ」、訓は「まこと、こころ、うち」などとなります。

「衰」は次第に衰える様

「衰」は語源では「蓑・みの」のことになります。

転じて衰えることになりました、熟語と慣用句は「衰退の一途をたどる」「栄枯盛衰の物語」「老衰で天寿を全うした」「高齢者の衰弱死が増えている」「衰勢になり挽回は望めない」「勢いが衰微に向かう」「盛者必衰の理と平家物語にある」などがあります。

「衰」は音が「スイ」、訓が「おとろえる」です。

「哀」と「衷」と「衰」とは

「哀」と「衷」と「衰」は字の形が非常に似通っています。

語源はそれぞれ異なり、意味も違います。

しかし、書く時に間違える可能性が高い文字です。

現代はパソコンの文字変換により間違えることは少なくなりましたが、紛らわしい文字の一つになります。

「哀」は「悲しいこと」、「衷」は「心より、偏らないこと」、「衰」は「衰えること」を意味します。

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