堕は「落ちること、崩れ落ちること」。
「堕落」と言い換えると分かりやすい。
落は「ものが下へ移動すること」。
「下移動」と言い換えると分かりやすい。
「堕」は単に「落ちる」のではなく、悪い方向に陥ることと言うイメージがあります。
「堕胎」「堕落」など。
「落」はものや気持ちが下に行くことです。
「落下」「落胆」などと使います。
「堕」はネガティブに「落ちる」こと
「堕」は「堕落」のようにネガティブな言葉なのです。
動詞で「堕する」と使うこともあります。
「悪の道に堕する」。
「堕胎は道徳的にできないという人が宗教信者には多い」「堕落した刹那的な生活に慣れているようだ」「怠ける意味で怠堕という場合もある」「キリスト教では天上世界を追放された天使を堕天使という」などと使います。
「落」は単に落ちること
「落」は下方向にものや人、気持ちなどが移ることです。
「屋上から落下した」「落花生はピーナッツ」「落胆した」「まさかの落第」「選挙に落選した」「山の中の集落」「一見落着」「晴れやかな落成式」「トンネルの落盤事故」「大阪城もついに落城」「早くも脱落」「オークションで落札した」「没落の憂き目に」「大事な点が欠落した釈明」「相場の暴落」などと使います。
「堕」も「落」も「おちる」と読む言葉
「堕」も「落」も「おちる」と読み、「堕落」という熟語にもなっています。
落ちる事情に相違があり、「堕」はネガティブな方向に落ち、「落」は単に落ちる意味になります。
そのため、熟語も「落」の方がはるかに多くなります。
しかし、「落」を「堕」に置き換えることはできません。
同じ「おちる」でも相当の意味の差があるようです。
「堕」と「落」とは
「堕」はネガティブに落ちることです。
「堕落」は「堕」の意味が強い言葉になります。
「落」も「おちる」ですが、単に落ちることですから、熟語も多くなります。
「落ち~」という使い方があり、落ちアユ」「落ちウナギ」「落ちカラマツ」など。
また、何かから落ちることでも使い「落馬」「落選」「落第」など。
何かが落ちることでは「落首」「落花生」「落涙」「落丁」「落日」「落命」などがあります。