「利率」と「利回り」は、どちらも債券や定期預金などの金融商品に投資する際に気を付けるべき数字です。

「利率」は、投資した金額に対して、どれだけの利子を受け取れるかを表す数値です。

「利回り」は、投資した金額に対して、どれだけの利益が出るかを表す数値です。

簡潔に違いを述べると、「利率」は利子、「利回り」は利益を表す数値であるということです。

「利率」の意味

「利率」とは、投資した金額に対して、何%の利子を受け取れるかを表す数値です。

一般的に年利率(1年間で受け取れる利子の割合)で表されることが多いです。

利子とは、お金の借り手が貸し手に対して支払うレンタル料金のようなものであると考えてください。

お金を借りた人は、借りた金額だけを返せばよいわけではありません。

借りた金額に利子を上乗せして、貸し手に返す必要があります。

あなたが金融商品に投資をすると、投資先にお金を貸したことと同義になります。

(国債であれば国が借り手、定期預金であれば銀行が借り手です。


よって、あなたは投資先から利子を受け取ることができるのです。

例えば、利率が1%の債券を100万円で購入したとします。

すると、一年間で支払われる利子は100万円×1%=1万円となります。

なお、年利率で表されているからといって、必ずしも1年に1度だけ利子が支払われるとは限りません。

上記の例であれば、1年に1度1万円を支払われる場合でも、半年に1度5,000円を支払われる場合でも、年利率は1%となります。

「利回り」の意味

「利回り」とは、投資した金額に対して、何%の利益を得られるかを表す数値です。

一般的に年利回り(1年あたりの利益の割合)で表されることが多いです。

投資によって得られる利益は、以下の2種類の損益を足し合わせた金額になります。

・購入額と売却額の差額で得られる損益(「キャピタルゲイン」と呼びます。


・利子の支払いによって得られる利益(「インカムゲイン」と呼びます。

例えば、100万円で債券を購入し、2年後に売却したとします。

この時点で得られている利益が10万円であれば、利回りは(10万円÷2年)÷100万円=0.05=5%となります。

「利率」と「利回り」の関係性

「利率」と「利回り」の意味の違いはお分かりいただけたでしょうか。

「利回り」は、投資金額に対して得られる「利益」の割合を示す数値です。

「利益」の中には、「利子」の支払いによって得られる利益(インカムゲイン)が含まれています。

その「利子」が投資金額に対していくら得られるのかを表す数値が「利率」なのです。

それでは、具体例を見ていきましょう。

年利率1%の債券を100万円で購入したとします。

この債券を2年間保有した後に、103万円で売却したとします。

この場合、購入額と売却額の差額で得られる損益(キャピタルゲイン)は103万円~-100万円=3万円となります。

そして、債券を保有した2年間で得られる利子(インカムゲイン)は100万円×1%×2年=2万円となります。

すると、この債券は100万円の投資により、2年間で3万円+2万円=5万円の利益を生み出したことになります。

よって、この債券の年利回りは(5万円÷2年間)÷100万円=0.025=2.5%です。

「利率」と「利回り」のまとめ

以上の話をおさらいすると、
「利率」…投資した金額に対して、何%の利子を受け取れるかを表す数値
「利回り」…投資した金額に対して、何%の利益を得られるかを表す数値
となります。

ただし、ここでお伝えした内容は「利率」と「利回り」の説明を簡単にしたものにすぎません。

「利率」や「利回り」の計算というのは、本来はより奥深いものです。

より詳細な知識を獲得できれば、自分に適した投資方法を発見する近道となるでしょう。

ぜひ、本や証券会社のサイトを読んだり、詳しい人に話を聞いたりしてみてください。

本記事が投資知識を深めるための足掛かりになれば幸いです。

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