「陳情」は、官公庁や政治家に実情を知らせ、善処を要請することです。
英語では「a petition」で表されます。
「陳情を受け入れる」は「accept a petition」です。
「陳情をはねつける」は「reject a petition」です。
「その法案を撤回するように政府に陳情した」は「They petitioned the government withdraw the bill.」です。
「請願」は、国民が文書によりその希望を国会・官公庁・天皇・地方公共団体の会議に申し出ることです。
憲法で認められた権利です。
英語では「a petition」で表されます。
「その請願を却下します」は「reject a petition」です。
「その請願を許可します」は「grant a petition」です。
「市長に請願書を提出した」は「We presented our petition to the mayor.」です。
「陳情」の意味
「陳情」は、以下のような意味です。
①実情をのべることです。
心事を述べることです。
②官公庁や政治家に実情を知らせ、善処を要請することです。
※国民が公的機関に問題の実情を陳述し要求する行為をいいます。
「請願」と同じ意味ですが、「請願」が憲法上の国民の権利として法律上規定され、その処理が制度化されているのに対して、「陳情」は非公式な行為を含むより広い
概念として理解されます。
以下のように使います。
地域振興のための援助を陳情する
陳情書 陳情団
「請願」の意味
「請願」は、以下のような意味です。
①こい願うことです。
願い出ることです。
末広鉄腸の雪中梅に「太政官の門前に立って国会の開設を請願し」とあります。
②国民が損害の救済、公務員の罷免、法律・命令・規則の制定・改廃、その他の事項に関し、文書によりその希望を国会・官公庁・天皇・地方公共団体の会議に
申し出ることです。
以下のように使います。
請願する権利 請願書
請願権 請願委員
陳・情・請・願の漢字
「陳」
字義は「つらねる」「ならび」「張る」「述べる」「古い」「周代の国名」「王朝の名前」です。
解字では、「?+東」で構成されます。
「東」の部分は「袋を棒に結んだ形」にかたどっています。
よって、「それをのべ広げる」の意味を表します。
「?」の部分があるのは、もともと地名を表すのに用いられたからです。
これにより「古くなるまで並べて置く」をも意味します。
「情」
字義は「こころ」「まこと」「おもむき」「なさけ」「男女間の愛情」です。
解字では、「心+青」で構成されます。
「青」の部分は「まじりのない青」を表します。
これにより「いつわりのない心」を表し「まこと」を意味します。
「請」
字義は「こう」「願い」「告げる」「問う」「召す」「めどおりする・お目にかかる」です。
解字では、「言+青」で構成されます。
「青」の部分は「澄みきっている」を表します。
これにより「澄みきった心で言う・こい願う」を意味します。
「願」
字義は「ねがう」「ねがい・望み」「ねがわくば・なにとぞ」「つねに」です。
解字では、「頁+原」で構成されます。
「原」の部分は「愿・げん」に通じ、「つつしむ・きまじめ」を表します。
これにより「きまじめな頭のさま」を表し、
「かたくなに一事をねがう」を意味します。
「陳情」は、 官公庁や政治家に実情を知らせ善処を要請することです。
「請願」は、 国民が文書によりその希望を国会などの会議に申し出ることです。
「陳情」「請願」は、類語です。
共通する意味は「中央や地方の機関に対して実情を訴え、一定の施策を要請すること」です。
「陳情」は、国民が公的機関に問題の実情を陳述し要求する行為をいいます。
法律によらない単なる要求行為です。
「請願」は、国民の権利として憲法で保障されている請願権の行使を意味します。
日本国憲法で基本的人権の一つとして認められています。
第16条に平穏に請願する権利(請願権)とあります。
一般的には、請願法(1974年制定)があります。
国会法・地方自治法にもこれに関する規定があります。