暁は「夜半から明け方にかけてのこと」。
「夜明け前」と言い換えると分かりやすい。
曙は「暁の後から夜明けまでのこと」。
「夜明け」と言い換えると分かりやすい。
朝ぼらけは「和歌で言う朝のこと」。
「朝」と言い換えると分かりやすい。
有明は「明け方に残る月のこと」。
「残月」と言い換えると分かりやすい。
夜明けや朝に関する言葉になりますが、朝を含めてすべての言葉の最初に「あ」が付くのは興味深いことです。
「暁」は「あかとき=明時」が語源
「暁・あかつき」は「あかとき=明時」が語源で、まだ暗い夜明け前の時間から夜明け直前までを指します。
真っ暗から少しは薄ら明るくなることまでを含み、夜明けを意識する時刻を含みますが「曙」よりは前の時間のことです。
何かが実現することも言い、「ことが成就した暁には、取り立てる」と使い、「暁に死す」「暁星」などと言う言葉もあります。
「曙」は「明けほのぼの」が語源
「曙」は「明けほのぼの」から造られた言葉です。
暁の後いよいよ日が顔を出す時を言います。
「夜が明るくなり始め、ほのぼのとして朝を迎えること」ですから、すでに周りは明るくなっています。
「人類の発祥からかなりの時間がたってから文明の曙を迎えた」「大相撲の横綱で曙と言う力士がいた」「枕の草紙に春は曙いとおかしとある」などと使います。
「朝ぼらけ」は朝のこと
「朝ぼらけ」は和歌で使われた「朝」のことです。
小倉百人一首、権中納言定頼の歌に「朝ぼらけ宇治の川霧絶え絶えにあらはれわたる瀬々の網代木」と有り、「朝」が来て明るくなっている様子を言っています。
「ぼらけ」には諸説があり「おぼろに明ける」が「ぼろあけ」「ぼらけ」になった説が有力です。
他には「朝ほろ明け」から来た説もあります。
「有明」は月のこと
「有明」は朝になっても天中にまだ残月があることです。
小倉百人一首に素性法師の歌で「今来むと言いしばかりに長月の有明の月を待ち出でつるかな」と有ります。
「有明」は朝の様子、すがすがしさなどを表した言葉になります。
地名にも使われ「有明海」「有明」などがあります。
江戸時代に夜通し明かりをつけていた常夜灯のことも言いました。