「鉈・なた」は、短く厚く幅の広い刃物です。
英語では「a hatchet」で表されます。
「hatchet」は、アメリカ先住民の戦斧のことです。
「Hatchet face」は「痩せてとがった顔」という意味です。
「斧」は、木を伐りまたは割るのに用いる道具です。
英語では「an ax」「a hatchet」で表されます。
☆斧柄朽(く)つ
述異記に「晋の王質が木を伐りに山へ行って、仙童の囲碁一局を見終わらないうちに斧の柄が朽ちているのに驚いた。
すぐに村に帰ると知人は皆死んでいた」とあります。
わずかな間と思っているうちに、長い年月が過ぎてしまったことをいいます。
「鉈・なた」の意味
「鉈・なた」は、短く厚く幅の広い刃物です。
短い柄を付けて使います。
薪などを割るのに使います。
「鉈をふるう」は「思い切った処理をする」という意味です。
以下のように使います。
鉈で薪を割る 鉈をふるう
☆鉈の漢字
字義は「短い矛」「化学元素の一つ・タリウム」です。
解字では、「金+宀+匕」で構成されます。
「?・しゃ」は「鉈」と同字です。
日本での意味は「なた」です。
「薪などを割る刃物」という意味です。
「斧」の意味
「斧」は、木を伐りまたは割るのに用いる道具です。
楔形の堅牢な鉄の刃に堅い木の柄を付けたものです。
「よき」「狭刃・せば」と同じ意味です。
今昔物語(6)に「斧を以て裂き砕けるが如し」とあります。
以下のように使います。
大木に斧を入れる 斧柄朽つ
☆斧の漢字
字義は「おの・まさかり」「切る・樵る」「斧型の模様」です。
解字では、「斤+父」で構成されます。
「斤」の部分は「曲がった柄の斧」の象形です。
「父」の部分は「むち・斧を手にした形」を表します。
これらにより「斧」を意味します。
関連語
「手斧・ておの」「手斧・ちょうな」は、鍬(くわ)のような形の刃物です。
斧でざっと削った木材を、さらに平らにするために用います。
「鉞・まさかり」は、木を伐るための大型の斧です。
古くは武器・刑具としても用いました。
数える時は「本」「挺・丁・ちょう」を用います。
または、歌舞伎の鬘(かつら)の一種です。
髷(まげ)を鉞型にしたものです。
「鉈・なた」は 短く厚く幅の広い刃物、「斧」は 木を伐りまたは割るのに用いる道具です。
「鉈・なた」「斧」は、類語です。
「手斧・ておの」「手斧・ちょうな」「鉞・まさかり」は、関連語です。
共通する意味は「木を切ったり割ったりするのに用いる厚い鉄製の刃物」です。
「鉈・なた」は、短く厚く幅の広い刃物です。
立ち木を払ったり、薪を割ったりする時に使います。
「鉈をふるう」は、「思い切った処置をする」という意味です。
「斧」は、頑丈な厚い刃物に短い柄をつけたものです。
木を切り倒したり、割ったり削ったりする時に用います。