「ゼロ」と「零」は、「数の一つ」です。
正でも負でもない実数のことです。
「ゼロ」という言葉は、「何も無い」という意味を含み、「経営の才能ゼロ」のように使います。
「0・ゼロ」は、インドで紀元前2世紀ごろ数学に導入された概念です。
これがヨーロッパに伝わり、英語では[0・zero]の表記となりました。
また、この概念が中国に伝わって「0・零・れい」の表記になったということです。
「0・ゼロ」の概念の発見は、文化史上に重要な意義を持つとされます。
[zero・ゼロ]の意味
①「アラビア数字の零」です。
正数と負数の境になる数のことです。
「0・零」のことです。
数学的には、数の一つであり、偶数とされます。
「ゼロナンバー」「ゼロ式戦闘機」「視界ゼロ」のように使われます。
②「数・量・価値が全くないこと」です。
「皆無」を意味します。
「ゼロからの出発」「指導力はゼロだ」のように使われます。
「零・れい」の意味
①数えるべきものが一つも無いこと。
容器のメモリなどの「基準・基点」のことです。
数の「0」は、整数に含まれます。
α×0=0 0で割ることはできません。
「ゼロ」のことです。
正数と負数の境になる数のことです。
「零下10度」「零点」のように使われます。
②「極めて小さいこと」「わずか」「はした」という意味です
「零細」「零本」のように使われます。
③落ちぶれることです
「零落」のように使われます。
④水滴が落ちること」を意味します。
「零雨」のように使われます。
「ゼロ」と「零」の用途
◇ゼロ
数字の「0・ゼロ」で使われる場合
「視界ゼロ」「5対0で勝った」「3104は、フロントの番号です」
「最初から」の意味で使われる場合
「ゼロから出直しだ」
「何も無い」という意味で使われる場合
「教師の資格ゼロだ」「彼のロケットの知識はゼロだ」「責任感ゼロだ」
合成語
「ゼロ回答」「ゼロ金利政策」「ゼロゲーム」「ゼロ成長」
◇零(れい)
「その部屋は、304番です・さんれいよん番です」「テストで零点を取ってしまった」
「3対0で勝った・さん対れい」
「零余子・むかご」「零落」のように使われます。
漢字の「零」は、「雨+令」で構成されています。
「令」の部分は、「神意を聴く」という意味です。
「神意にかなうと雨が降る」という概念があったので、「雨」から「落ちる」を連想させ、「零」は「水滴が落ちる」を意味するようになりました。
「零」は、もともと雨に関係ある言葉だったのです。
まとめ・ゼロ戦
かつて「ゼロ戦」と呼ばれた戦闘機の正式名称は、零式艦上戦闘機(れいしきかんじょうせんとうき)です。
第二次世界大戦期における日本海軍の主力戦闘機でした。
スタジオジブリ制作の長編アニメーション映画『風立ちぬ』の主人公で、実在の航空技術者である堀越二郎が中心となって開発した戦闘機です。
当時、日本の軍用機の名称は、採用年の「皇紀」の下2桁を冠する規定がありました。
「ゼロ戦」が採用されたのは1940年(昭和15年)のことです。
この年は皇紀2600年にあたり、その下2桁の「00」から取って「零式」とされました。
支那事変から太平洋戦争初期にかけて、その優れた運動性能で米英の戦闘機に勝っていたため、敵方パイロットから「ゼロファイター(Zero Fighter)」や「ゼロゼロ(Zero Zero)」呼ばれました