「渡河・とか」は、川を渡ることです。
「徒渉・としょう」は、歩いて川を渡ることです。
英語ではどちらも「cross a river」で表されます。
< cross a river>
「cross」の他動詞の第一用法では、「人や乗り物が川などを横切る・渡る」「橋が川にかかっている」を意味します。
「我々は、漕ぎ船で川を渡った」は「We crossed the river in a rowboat.」「We rowed across the river in a boat.」です。
「コロンビア川を渡ってカリフォルニア州へ入ると、素晴らしい夕暮れの景色が目に入った」は
「A magnificent sunset lied ahead as we crossed the Columbia river into California.」です。
「渡河・とか」の意味
「渡河・とか」は、川を渡ることです。
「上流にさかのぼって渡河する」「渡河地点」のように使います。
<関連語>
「跋渉・ばっしょう」は、山を越えたり川を渡ったりすることです。
また、いろいろな場所を巡り歩くこともいいます。
文章語です。
「春の郊外を跋渉する」のように使います。
「跋」の字義は「つまづく」「ふむ」「もとる」「こえる・わたる・野山を行く」などです。
「徒渉・としょう」の意味
「徒渉・としょう」は、以下のような意味です。
①歩いて川を渡ることです。
「かちわたり」ともいいます。
②徒歩で陸を歩いたり水を渡ったりすることです。
太平記(39)に「鸞輿(らんよ)を跣行(せんこう・はだし)の徒渉に易(か)えて」とあります。
以下のように使います。
浅瀬を選んで徒渉する 徒渉作戦
<渉>
「渉」は、現在では、歩いて川を渡る場合に用いられます。
しかし、原義に於いては、水上を船などで渡る場合にも用いられました。
「呂氏春秋」に「楚人有渉江者」とあります。
「楚の人で長江を船で渡る者がいた」という意味です。
<渡・渉の漢字>
「渡」
字義は「わたる」「わたす」「わたし」です。
解字では、「水+度」で構成されます。
「度」の部分は「ものさしを渡して物をはかる」を表します。
これにより「水を渡る」を意味します。
「渉」
字義は「わたる」「わたり」です。
解字では、「水+歩」で構成されます。
これにより「水の中を歩く」を表し「わたる」を意味します。
「渡河・とか」は 川を渡ること、「徒渉・としょう」は 歩いて川を渡ることです。
「渡河・とか」「徒渉・としょう」は、類語です。
「跋渉・ばっしょう」は、これらの言葉の関連語です。
共通する意味は「河川を渡ること」です。
「渡河・とか」は、特に大きな河川を渡ることをいいます。
船などで渡る場合にも用います。
「徒渉・としょう」は、川の浅いところを渡ることです。
また、陸を歩いたり川を渡ったりする場合にも用います。
「渡渉」とも書きます。