小父は「自分と血縁関係がない成人男性」を指します。
いわゆる家庭を離れたところ、「近所のおじさん」などと考えるとわかりやすいです。
反対に、叔父・伯父は「自分の親ときょうだい関係にある男性」を指します。
先に挙げた「小父」とは違い、使いどころがかなり限定されそうではありますね。
それぞれの詳しい意味やなりたちついては、下記でご説明します。
「小父」の意味
小父は、自分の親族ではない「よその成人男性」を指して使います。
専門家によっても意見がわかれますが、20歳から65歳ころまでの男性に対して使うことが多いです。
使い方の例としては、下記のようなものがあります。
・「近所の小父さん」
・「八百屋の小父さん」
はじめに挙げた3つの「おじ」を表す漢字のなかでは、最も汎用性が高い漢字といえるでしょう。
「伯父」の意味
伯父は、自分の父または母の兄にあたる男性を指します。
由来は中国にあり、きょうだいの数が多い、いわゆる大家族と呼ばれる家庭が一般的でありましたが、儒教の影響できょうだい間の年功序列に厳しい側面がありました。
「伯」という字は、きょうだい間のなかで最年長を表す漢字ではあり、そのことから自分の親の兄を「伯父」よ書くようになりました。
「叔父」の意味
伯父が自分の親の兄を示す言葉であることとは反対に、「叔父」は父または母の弟に対して使われます。
こちらも伯父と同様に中国に由来があり、きょうだい間で3番目を表す漢字として「叔」が使われていたことから、親の弟を指して「叔父」と表記されます。
余談ではありますが、自分の親のきょうだいの中で、一番若い叔父を表現したい場合には、「季父(きふ)」という言葉を使うことができます。
厳密に「おじ」を使い分ける必要はあるの?
「小父」と「伯父/叔父」の違いについてご説明しましたが、話し言葉ではどれも「おじさん」で表せてしまいますよね。
それぞれの「おじ」の漢字を、普段から意識して使い分ける必要はありません。
しかし、自分との関係を相手に明確に示したい場合や、公的な文書を記載する場合には、これらの違いを抑えておくと役立つかと思います。