「もてなす」と「供応」と「馳走」の違い・意味と使い方・由来や例文

B!

「もてなす」は、人を取り扱うことです。

「待遇する」という意味です。

また、酒食をふるまうなどして客を接待することです。

英語では「treat」「entertain」で表されます。

「供応」は、酒食を供してもてなすことです。

英語では「entertain a person at dinner」で表されます。

「馳走」は、食事などを出して相手をもてなすことをいいます。

また、その料理のことです。

英語では「an entertainment」「a dinner」「a feast」で表されます。

「もてなす」の意味

「もてなす」は以下のような意味です。

①「とりなす」「処置する」という意味です。

源氏物語(桐壺)に「何事の儀式をももてなし給ひ」とあります。

②「取り扱う」「待遇する」という意味です。

落窪物語(3)に「少輔はいとにくき物に思ひしみてすげなくのみもてなしければ」とあります。

③「歓待する」「御馳走する」という意味です。

平家物語(11)に「御前へ召され参らせて、御引出物をたまはってもてなされ給ひしありさま」とあります。

④「面倒を見る」「世話をする」という意味です。

源氏物語(若紫)に「そもそも女は人にもてなされておとなにもなり給ふものなれば」とあります。

⑤「自分の身を処する」「ふるまう」という意味です。

源氏物語(手習)に「時々はればれしゅうもてなしておはしませ」とあります。

⑥「取り上げて問題にする」「もてはやす」という意味です。

徒然草に「鎌倉の海に鰹という魚は、かの境にはそうなきものにて、この比もてなすものなり」とあります。

⑦「そぶりをする」「見せかける」という意味です。

平家物語(10)に「涙おしのごひ、さらぬ体にもてないて申しけるは」とあります。

以下のように使います。

手製のケーキでもてなす
心をこめてもてなした

「供応」の意味

「供応」は、「饗応」と同じです。

「供応」は代用記述です。

酒食を供してもてなすことです。

または、迎合することです。

(色葉字類抄)

以下のように使います。

盛大な供応を受けた 料亭で供応する フランス料理で供応する
茶菓子の供応にあずかる
供応接待

<ふるまう>
「ふるまう」は「供応」の類語です。

人前である行動・行為を行うことです。

行動することをいいます
または、人に御馳走することです。

「おごる」「もてなす」という意味です。

「料亭でふるまう」「フランス料理をふるまう」のように使います。

「馳走」の意味

「馳走」以下のような意味です。

①駆け走ることです。

奔走のことです。

今昔物語集(2)に「こゑあげてほえ叫びて東西に馳走す」とあります。

②あれこれ走りまわって世話をすることです。

浄瑠璃の念仏往生記に「都まで馳走して連れ上らむと思ひしに」とあります。

③その用意に奔走する意味から、「ふるまい」「もてなし」「饗応」の意味です。

狂言の「痺り・しびり」に「御茶の御酒のと有りて某までも御馳走になる」とあります。

④立派な料理や美味しい食物のことです。

以下のように使います。

後輩にご馳走する
奥さんの手料理をご馳走になった
先日はご馳走になりありがとうございました
たくさんのご馳走に驚く

「もてなす」は、酒食をふるまうなどして客を接待すること、「供応」は、酒食を供してもてなすこと、 「馳走」は、料理などを出して相手をもてなすことをいいます。

「もてなす」「供応」「馳走」「ふるまう」は類語です。

「饗する」「相伴」は、これらの言葉の関連語です。

共通する意味は「酒や料理を出して、相手を丁重にあつかうこと」です。

「もてなす」は、「心から歓迎する気持ちをこめて丁重にあつかう」という意味です。

ご馳走を出すとは限りません。

客を歓迎する態度自体をいう場合もあります。

「供応」と「ふるまう」は、食事や飲み物を出すことです。

ささやかな場合もありますが、多くは客のために飲食物をいろいろとりそろえます。

「供応」は「饗応」と書く場合もあります。

「馳走」は、「御馳走」の形で用いられます。

食事などを出して丁寧に扱うことです。

また、そのための料理を指します。

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