「愚者」と「愚人」と「愚物」の違い・意味と使い方・由来や例文

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「愚者」は、「愚かな人」「ばか者」のことです。

英語では「a fool」で表されます。

「愚者の一得」は「A fool may give a wise man counsel.」で表されます。

「愚人」は、「愚かな人」「愚者」のことです。

英語では「a fool」で表されます。

「愚物」は、愚かな人のことです。

英語では「a fool」で表されます。

<道化師>
道化を生業とする者のことです。

「サーカスの道化」は「a clown 」です。

「中世の宮廷の道化」は「a court fool」です。

中世の愚者文学の隆盛には宮廷の道化師たちの存在が大きな役割を果たしたとされます。

「愚者」の意味

「愚者」は、「愚かな人」「ばか者」のことです。

「君の企画は、『愚者の一得』だ」のように使います。

反対語は、「賢者」です。

<愚者も千慮に一得あり>
「千慮の一得」「愚者の一得」ともいいます。

史記の淮陰候伝に「智者も千慮に必ず一失あり、愚者にも千慮に必ず一得あり」とあります。

「愚かな者でも多く考えているうちには、一度ぐらいは名案を出すことがある」という意味です。

反対語は「智者一失」「千慮一失」です。

「愚人」の意味

「愚人」は、「愚かな人」「愚者」のことです。

「愚人との論争は無益である」のように使います。

反対語は「賢人」です。

<愚者・愚人の文学>

〇愚者の文学
15~16世紀のドイツ文学の一傾向を指します。

中世の喜劇やS・ブラントの風刺的教訓詩「愚者の船・1449年」に起源を持ちます。

この作品は人文主義的観点から人間の愚かしさを嘲笑したものです。

この作品から影響を受けて以下の作品が生まれました。

エラスムス著「痴愚神礼賛・1509年」
T・ムルナー著「愚者の招集・1512年」「ルターの大馬鹿者・1522年」
アブラハム・ア・ザンクタ・クララ著「駄々っ子ユータス・1686年」
愚者文学の隆盛には宮廷の道化師たちの存在が大きな役割を果たしたとされます。

〇愚人列伝
英国詩人のA・ポープの風刺集です。

1728年刊行、全3巻です。

自身の編集したシェークスピア全集を批判した学者L・シオボールドを攻撃するために書かれました。

「愚物」の意味

「愚物」は、愚か者のことです。

愚鈍な人を指します。

「愚人」のことです。

文語的表現です。

以下のように使います。

私ごとき愚物でもお役に立ちたい
愚物と断じる

<愚の漢字>
字義は、「おろか」「ばか正直」「おろかな心」「あなどる」「自己に関することに冠する謙称」です。

解字では、「心+禺」で構成されます。

「禺」の部分は、猿に似たなまけものの類の象形です。

不活発で鈍いことを表します。

「心」と合わさって、「心の働きが鈍い」「おろか」という意味を表します。

「愚者」は「ばか者」のこと、「愚人」は「愚かな人」のこと、「愚物」は、愚鈍な人を指します。

「愚者」「愚人」「愚物」「痴人」は類語です。

「愚か者」「知れ者」はこれらの言葉の関連語です。

共通する意味は「愚かな人」です。

「愚者」「愚人」「愚物」は、同じ意味です。

特に「愚物」は人物評価の気持ちを含みます。

「愚人」は「ぐにん」とも読みます。

「痴人」は、他の三語よりも甚だしく判断力のない状態をいいます。

どの語も漢語です。

現在の話し言葉ではほとんど用いられません。

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