「範疇」と「範囲」の意味の違い・意味と使い方・使い分け

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「範疇・はんちゅう」は、哲学的に於いて、「根本的概念」や「最高類概念」の意味です。

一般的には、同質同類のものが全て含まれる「部門」「範囲」のことです。

「カテゴリー」と同じです。

「倫理学の範疇に属します。」

「どの範疇にも属さない音楽」のように使います。

「範囲」は、一定のきまった広がりです。

「囲い」「限り」「区域」のことです。

「勢力範囲」「範囲外」「広範囲」のように使います。

「範疇・はんちゅう」の意味

「範疇・はんちゅう」は、哲学的に於いて、「根本的概念」や「最高類概念」の意味として用います。

認識の根本形式として、人が従わないければならない最も一般的な概念群を言います。

心理的に最も基本的な概念のことです。

また、個々の科学での基礎となる観念のことです。

書経の「洪水範九疇」という言葉から西周(にしあまね)が作った訳言です。

ギリシャ語の「カテゴリア・述語する」に由来します。

「述語」は「存在すること」を表します。

アリストテレスの「オルガノン」では、述語の形式として「実態」「量」「性質」「関係」「場所」「時」「位置」「状態」「能動」「受動」の10範疇が挙げられました。

これを、「アリストテレスの10範疇」といいます。

日常的には、部門の意味として用いられます。

同じ種類の物の所属する「部類」や「部門」の意味です。

「その事件は、心理学の範疇だ」「この災いは、天災の範疇に入らない」のように使います。

英訳する場合、「Category 」 で訳されます。

「範囲」の意味

「範囲」は、ある物事によって限られた一定の広がりをいいます。

限定された領域のことです。

「半径2kmの範囲を探す」「地震の影響が広い範囲に及ぶ」「わかる範囲で答えてください」「予算の範囲でまかなう」
「権限の範囲は法律で規制されます」「理解の範囲を越えます」「交際範囲が異なる」「活動範囲」のように使います。

英訳する場合、「A scope/ a sphere/ a range/ an extent」で訳されます。

「範疇」の関連語

「種類」「ジャンル」「種」「品種」は類語です。

「範疇」はそれらの関連語です。

共通する意味は、「他と区別される一つのまとまり」です。

「ジャンル」は、芸術の分野の作品の種類分けをいいます。

「品種」は、多くの場合、生物の分野の遺伝的な種類分けをいいます。

「種」は、生物学の分類方法である「門・綱・目・科・属・種」の一単位です。

また、「種・たね」の意味もあります。

「この種の~」のように「種類」の意味でも使います。

「範疇」は、同じであると分類・認識される一つのまとまりです。

または、その枠組みのことです。

「異なる範疇に属するものは比較しにくい」のように使います。

「範疇」は、同じであると分類される一つのまとまり
「範囲」は、一定の決められた領域のことです。

「領域」「領分」「縄張り」「島」「テリトリー」は類語です。

「範囲」は、それらの関連語です。

共通する意味は、「あるものの権限や行動や勢力のおよぶ範囲」です。

「領域」や「領分」は、「他国の領域」のようにある集団の勢力範囲を表します。

また、「科学の領分」のようにある特質や専門性や資格を共通にする範囲について用いられます。

「領分」は、多くの場合、あるものが独善的に勢力を及ぼす範囲という意味を伴います。

「縄張り」「テリトリー」は、。

権益に関する土地や勢力範囲を表します。

「島」は俗語で人の勢力範囲について用いられます。

「範囲」は、一定の限られた広がりや、決められた領域のことです。

「範疇」は、同じであると分類・認識される一つのまとまりです。

または、その枠組みのことです。

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