「拘留」とは、刑事罰の一つで比較的軽い犯罪(公然わいせつや軽犯罪法違反など)で起訴され(刑事裁判にかけられ)、裁判で確定すると受ける刑罰です。

「勾留」とは、何らかの犯罪を犯したと疑われる人を逮捕した後、更に取り調べや裁判の必要があり、釈放すると逃亡の恐れがあると判断される場合などに留置所・拘置所に収容しておく事をいいます。

「拘留」の意味

「拘留」とは、「軽犯罪法」に触れる罪または公然わいせつや各自治体などの「条例」違反など比較的軽い犯罪を犯した人に対する刑罰の一つです。

刑事裁判で「拘留」の判決を受けて確定すると、1日以上30日未満の間拘置所または刑務所に収容されます。

なお、「拘留」は懲役や禁固と違い「執行猶予」がなく、刑が確定すると速やかに収容されて刑罰が執行されます。

「勾留」の意味

「勾留」とは、何らかの犯罪を犯したと疑われる人を逮捕した後48時間以内に警察が検察に事件を送り、更に検察が24時間以内に更に身柄を拘束する必要があるかを判断します。

釈放すると逃亡や証拠隠滅の疑いがあると判断されればそこで「勾留」となり、引き続き警察の留置場もしくは拘置所に拘束されます。

「勾留」される期間は最低でも10日間、更に必要がある場合は合計20日間身柄を拘束されることになります。

拘留と勾留の違いは「裁判の前と後」

「拘留」と「勾留」の違いは「裁判の後の刑罰」か「裁判の前の身柄拘束」かの違いです。

何らかの犯罪を犯したと疑われて警察に逮捕されると警察・検察による手続きで合計72時間以内に釈放されなければ「勾留」となり、留置場などに収容された状態で裁判にかけられる(起訴)か釈放されるか(不起訴)が決まります。

起訴されても「保釈」が認められなければそのまま判決確定まで「勾留」されます。

「拘留」は裁判で確定した刑罰ですが、法定期間が短いため留置場などの「勾留」期間が差し引かれると実質上執行されないか、短い日数で刑罰が終わることがあります。

拘留と勾留は似た言葉だが大きな違いがある

「拘留」と「勾留」は字も似ており読み方も「こうりゅう」と全く同じで「監獄に収容される」ことも同じですが、この2つは全く違うものです。

「勾留」は刑罰が確定する前に被疑者(犯罪を疑われている人)・被告人(刑事裁判にかけられている人)が逃亡したり証拠を隠滅するおそれがあると認められると留置場や拘置所に収容されるということです。

「拘留」は比較的軽い犯罪で裁判を受けて確定し、懲役や禁固よりも短い期間拘置所や刑務所に収容される刑罰のことを指します。

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