「越える」は、「物や境界を過ぎる」という意味です。
一般的表記として広く使われています。
「越える」は、ある地点や場所をこえる場合に使います。
また、「追い越す」「引っ越す」のように「来る」「行く」の意味を含みます。
「用心するに越したことはない」のように「より良い」という意味もあります。
「超える」は、一定の分量や程度・状況を上回る場合に使います。
また、「人知を超える」のように「超越する」という意味を含みます。
さらに、「先人の才能を超える」のように、「優れて上回る」という意味もあります。
「越える」の意味
「越える」は、一般的には「動作・状況がある限界を一挙に上回ること」という意味です。
①障害などを乗り越えていくこと。
物の上を過ぎてゆくこと。
妨げや境界を渡って向こう側に行くこと。
「国境を超える」「関越えて」のように使います。
②その時を経過すること。
「冬を越える」「年を越える」のように使われます。
③ある一定の程度・限界・数量を上回ること。
超過すること。
「気温は30度を越えた」「定員を越えた」のように使われます。
④先行する人の実力や実績を上回ること。
まさること。
「力は先輩を越える」のように使われます。
⑤決まりなどにそむく。
規則に外れる
「心欲するところに従えども、矩(のり)を越えず」のように使われます。
⑥順序を飛び越す。
追い越す。
「兄を越え、家を継ぐ」のように使われます。
⑦通常の概念や区分にとらわれず超越する。
「怨讐を越えて協力する」のように使われます。
「超える」の意味
①定員や能力や想像などが、ある一定の程度・限界・数量を上回ること。
超過すること。
基準や限度以上になる時は、「越える」を使うより、多くの場合「超」を使います。
「定員を超えた」「大枠を超えてはみ出た」「大台を超えた」「想像を超えた事件」のように使われます。
②通常の概念や区分にとらわれず超越する場合。
「越える」または「超える」を使います。
「時を超えて」「派閥を超えて協力する」「年齢を超えた人気」のように使われます。
「越える」と「超える」の類語と用途
◇越える
「超える」の類語には、「越す・こす」があります。
共通する意味は、「山や峠や国境のような物の上を通り過ぎて一方から他方へ移動すること」です。
「垣根を越える」「線路を越えてやってくる」「山を越える」「国境を越える」
「通常の概念や区分にとらわれず超越する」という意味でつかわれる場合。
「世俗を越えた暮らし」「年齢を越えた人気」「時を越えて伝わる」「病状は、峠を越える」
◇超える
「超える」の類語には、「上回る」「越す」があります。
これらの共通する意味は、「ある数量が程度以上になること」です。
「気温30度を超える」「入場者が2000人を超えた」のように使われます。
「ある一定の程度・限界・数量を上回ること」の意味で使われる場合
「2mを超える大男」「脂質が収入を超えた」「その人物は70歳を超えていた」「その現象は人知を超えている」「人を超えた才能」
「利害関係を超えて反核運動に参加した」「世代を超えて愛読されている」
まとめ・「うゐのおくやま けふこえて」
いろはにほへとちりぬるを色は匂へど散りぬるを
わかよたれそつねならむ 我が世誰ぞ常ならむ
うゐのおくやまけふこえて 有為の奥山今日越えて
あさきゆめみしゑひもせす 浅き夢見じ酔ひもせず
【訳】 花は香り立つといえど散ってしまう。
我が世を謳歌しようと誰が不変でいられよう。
無常の世から解脱へと今日越えて行けば
はかない夢も見ないし酔うこともない
「うゐのおくやま」を越えるというのは、どんな修行をすれば良いのかいつも考えさせられます。