悖るは「もとると読み、人道に反すること、そむくこと」。
「そむく」と言い換えると分かりやすい。
劣るは「おとると読み、人と比較して至らないことこと」。
「至らない」と言い換えると分かりやすい。
「悖る」と「劣る」は「もとる、おとる」と似た語感から勘違いして誤用されることがあります。
意味も似たような点があるためです。
「悖る」は道理にそむくこと
「悖る」は道理や人道などにそむくこと、反することです。
虐待や殺傷、詐欺、贈賄、盗み、いじめ、性犯罪、迷惑などの行為をするようなことです。
そのようなことを行う人間は通常より「劣っている」と言えます。
ですから「悖る」は「劣る」と間違えられるのです。
昔の海軍兵学校や現在の自衛隊、警察においても「反省」の言葉として使われているのです。
「劣る」は至らないこと
「劣る」は比較して至らないことを言います。
力関係や、数量的なこと、質の問題、能力的なこと、価値の優劣などに使われます。
「至らない、後れを取る、程度が低い、下である、及ばない、弱い、」などの意味になります。
「優れている」の反対語として位置づけられます。
熟語は「劣等、愚劣、卑劣、優劣、劣化、劣勢」などがあります。
「悖る」の例としての反省の言葉
「悖る」は「五省」の言葉、訓戒として広く使われています。
その第一条「至誠に悖るなかりしか」は有名な文句です。
「言動が間違ってはいないか、道理にそむいていないか」と言う意味で、もともと、昭和5年に帝国海軍兵学校校長の松下元が創ったものですが、現在でも自衛隊や警察でも戒めの言葉として受け継がれています。
「悖る」と「劣る」とは
「悖る」は「人の道や道理にそむくこと」と言うことで、多くの犯罪行為や迷惑行為を行うようなことを言います。
「至誠に悖るなかりしか」、この言葉は「五省」と言う戒めの冒頭として、昔の海軍から現在の海上自衛隊、警察に受け継がれているものです。
「劣る」は「比較して至らないこと」ですから、多くの熟語があります。
「優」の対義語となります。