正当は「法規や道理に適っている状態のこと」。
客観的に見て、何らかのルールに則っていると言える状態において正当という言葉を使うのです。
妥当は「道理に当てはまり、矛盾がないこと」。
何らかのルールに則っているかどうかは別として、矛盾がなく、多くが納得できるようなケースにおいて、妥当という言葉が使われることになります。
「正当」の意味
正当というのは、何らかのルールに則っていることを表しているため、例えば法律などにおいて問題がないことをするときには、法律上正当な行為ということになります。
既に決まっているルールに抵触しない場合に使われ、仮に周囲がその行為をよく思わないとしても、合法な行為は正当な行為として認められるということになるのです。
「妥当」の意味
妥当というのは、何らかのルールに抵触する、しないではなく、多くが抱いている価値観などを基準にして、矛盾などが生じないケースにおいて使われます。
妥当かどうかの基準となるのは周囲が納得するかであり、客観というよりは主観で決まりやすい性質の言葉です。
つまり、法律上問題ない行為を行っても、その行為に多くが納得しない場合には、妥当であるとは言えないのです。
「正当」と「妥当」の用法や用例
「誰が何と言おうと、私がやったことは正当な行為である。
文句があるのであれば、法律に抵触しているなどの正当な行為ではないという根拠を提示すべきだ。
」
「熱が38度もあるのならば、さすがに会社を休むというのは妥当な判断だろう。
これだけの高熱が出ていて出勤を求める人間はほとんどいないだろうし、問題ないと言えるはずだ。
」
「正当」と「妥当」は客観と主観の違いと言える
正当という言葉は法律などのルールを基準にすることから、主観で判断ができる類のものとは言えません。
しかし、妥当という言葉は、常識などの多数決による価値観を基準にしているため、明確な基準がなく、割と主観的に判断されてしまうことがあります。
正当というのは誰が見ても同じ意見になるということが多いものの、妥当に関しては人によって変わることが起きやすいということなのです。